流した涙は透明で ページ5
泰和「大丈夫だよ」
「それじゃあ包帯外しますねー」
今やっと両目を塞ぐ包帯が外れる
シュルシュルと包帯が外れていき
真っ暗だった目の前がパッと明るくなる
『うっ……みえ…てる…』
見えていれば手術は成功だと言われていた
だから手術は成功けどこれからはメガネ必須らしい
まあそれは仕方ないかな。
この手術は視力が落ちるのを止める手術だったから
見えるだけで奇跡だと言われて自然と涙が溢れる
泰和「良かった…!」
辺りを見回すとベッド脇にある棚には
花束やら写真立てやら色々な物が置いてある
『ねえ…それは…?』
泰和「これは姉ちゃんの。」
ファンの人達や姉ちゃんのお客さんがくれたんだよ
姉ちゃんのお客さんが指すのはきっとあの人達
会ったら沢山ありがとうって言わないとな。
『…これ…』
目についた少し小さな箱を手に取る
泰和「それは…開けてみ」
言われるままに箱を開けると中にはピンキーリング
虹色に見えるハートのストーンが入っている
泰和「それ木村さんから。」
『へぇ…良平やるじゃん』
泰和「そこにカード入ってるでしょ?読んで」
『…虹色のハート、何でも叶う…』
泰和「誰よりも心配してたのは木村さんだよ」
『そっか…。』
ピンキーリングを右手の小指に着けてみる
あまり主張しないからいい感じ。
『ねぇ…いつ退院?』
泰和「明日検査して平気なら今週末だって」
『いつも通り店を開けたいの』
泰和「俺も今週末まで休みだから手伝う」
『うん、ありがとう』
泰和にとある頼み事をしてその日は帰ってもらった
泰和…上手くやってくれるかな…?
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