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You. side
｢…よし、じゃあ今日はこの辺で終わりにしよか｣
あれから約二時間ほどが経過し、少しづつ日が沈み始めた頃。
志麻のその言葉で、今日の稽古は終了した。
私は先程渡されたタオルで汗を拭い、志麻の方へと視線を向ける。
『志麻、この後の予定は？』
｢今日はもう何もないで。後は夕食だけやな｣
『そう、ありがとう』
時計を見てみると、夕食までにまだあと三時間程あるようだ。
また書斎へ行って今朝の続きでも読もうかと考えながら片付けをしていると、志麻が私の隣へと歩いてきた。
｢なあ、主。良かったら、今からちょっと散歩しに行かへん？｣
『散歩？』
｢そう。中庭から森の入口ら辺まで、どう？｣
珍しい志麻からの誘いに、私は書斎の事なんか忘れて二言で了承してしまった。
.
｢…っと、今日は風が強いな｣
『そうね…、また嵐でも来るのかしら？』
風で私の方へと飛んできた小枝を軽々と片手で掴んで、志麻は私を護るよう少し前を歩いている。
男性の平均身長よりも微かに低い志麻だが、私と比べればかなりの差がある。
従って、私は志麻と話をする際、少し見上げる形になってしまうのだ。
さかたとセンラに関しては言わずもがな、うらたにも惜しくとも負けてしまっている。
別にそれが特別嫌だと言う訳では無いが、護衛を全員見上げる形になってしまうのは、少しだけ複雑だったりする。
｢…なぁ、主。一つだけ、聞いてもええ？｣
中庭の入口に差し掛かった時、志麻はそう私に問うてきた。
『ええ。なあに？』
｢主が剣を持つ理由って、'' 護られるだけでは嫌だから ''って、前言うてたやん？｣
──それって、本当にそれだけ？
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作者名：お餅。 | 作成日時：2020年9月27日 15時
