第7話 ページ8
「え…えっと一兄…？今日は私、友達と…」
「本当か？」
「…っえ？」
なんで、なんで、なんで
何が駄目だったのだろう、どこまで知られているんだ、思考が止まっていて何も考えられない
全身から汗が滝のように出ている気がする
時が何倍にも遅く感じて、目の前にいる一兄が怒っているという事実を脳が受け止めてから
頭が働かなくなった。
「どうして…？一兄は信じてくれないの？」
「三郎から聞いた」
「三郎から…？」
「"Aには僕以外話し相手がいないはずだ、友達なんていないのに"だとさ」
「！！！！」
さぶろう、さぶ郎、三郎…
脳が急に冷えた気がした、三郎からの情報だけならまだごまかしが効くはずだ。
大丈夫、冷静になれ、これは持論だが勝負は頭の回転を止めたやつから負けるのだ。
何度も何度も危ない目にあったことがある。
それでも私は一兄のためだけに頑張ってきたのだ、こんなところでは終われない。
「…三郎…あいつめ…わかったよ、一兄、全部話す」
「あぁ、じっくり聞かせてもらうぞ」
ここからが勝負だ。
「本当は誰とも会ってないの」
「どういうことだ？」
「今日はね、ちょっとだけ遠出をして洋服を買ってきたの…」
「服…？その紙袋は服か、でもなんで俺に内緒で行ったんだ？今日は用もなかったし荷物持ちになれたぞ？」
「…だって…」
「？」
「一兄…女の子には男性には言いづらいものも買わなくちゃいけないんだよ…ここは男が多いから一人で買いに行くしかなくて…下着…とか」
一兄が黙り込んでしまった。
言い訳をするだけなら普通にもできるが最大限に一兄に意識してもらって私をアピールするにはこの方法しか思いつかなかった。
一兄は私の涙には案外弱かったりするので涙目で訴えることが大切だ。あとは私の演技力…
さて、信じてもらえただろうか、これで駄目だったら普通の言い訳を考えるしかない。
そう思って俯きがちだった顔を上げると、一兄が赤面していた。
「あっ…あぁ…そうだな…疑ってすまなかった…Aが何か良からぬことに巻き込まれてるんじゃないかと…」
「し…心配しすぎだよ！一兄！私なら大丈夫だから…」
いやいやいや！！赤すぎないか！私まで恥ずかしくなってきたじゃないか…
もうちょっと普通の言い訳考えた方が良かったかなぁぁぁ…
いやでも！意識してもらえてるし！いいんだよね！
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Lis(プロフ) - swmiyaさん» ありがとございます！頑張ります！ (2018年11月8日 22時) (
レス) id: b2944d25b6 (このIDを非表示/違反報告)
swmiya(プロフ) - めっちゃ好きな内容です！もし、続編あったら楽しみに待ってます！これからも、頑張って下さい！！ (2018年11月3日 16時) (レス) id: 2400e46195 (このIDを非表示/違反報告)
Lis(プロフ) - Sakiさん» ありがとうございます！ (2018年10月26日 17時) (レス) id: b2944d25b6 (このIDを非表示/違反報告)
Saki(プロフ) - 最高です！めっちゃ続きみたいです！いち兄のヤンデレみたいです！ 応援してます頑張ってください！ (2018年10月22日 20時) (レス) id: 0778e26687 (このIDを非表示/違反報告)
Lis(プロフ) - 雪兎さん» 内容としては肩慣らしに書いたものなので完結にしようと思っていたのですが、続きが見たい方がいらっしゃるならもうしばらく続けようかなと思います。 (2018年9月25日 17時) (レス) id: b2944d25b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lis | 作成日時：2018年9月4日 0時
