第2話 ページ3
お弁当を作り終わった頃に起きてくるのが三郎。私や一兄ほど早起きの時は少ないがそれでも結構早く起きてくる。
「おはようございます！一兄！A」
「おはよう」
「おはよ〜！じろ兄はまだ起きてない？」
「あいつのことだからまだ寝てるよ」
呆れた調子で三郎が言う。登校時間ギリギリまで寝ているのがじろ兄だ。
私と三郎の仲は悪くない。一兄の取り合い合戦はあるが、大抵じろ兄と三郎が言い合いをしている間に私が一兄のもとにいって止めてもらっている。
私は一兄にお礼を言われるので。いわばいつも私の一人勝ちが多いのだ。
三郎とはボードゲームで一緒に遊ぶことが多い。一緒に遊んでくれる人を常に探してるみたいだけど…。
じろ兄は案外私のことを甘やかしてくれる。一兄みたいに頭を撫でてくれる時もあるしお菓子をくれる時もある。
じろ兄は私に餌付けするのが楽しいようだ。
太るからやめてほしい。切実に。
そんな二人は普段は言い合いをしているが、実はとても仲がいいので逆に言い合いが微笑ましく見えてくる。
そんなこんなで朝食を食べ終わったがじろ兄が起きてこない。
「二郎を起こすか」
「そんな！僕が起こしに行きますよ！」
いやいや、三郎が起こしに行くと言い合いが起きるじゃん。
ということは…。
「んー…だかなぁ…」
「一兄！私が行ってくるよ！私なら大丈夫でしょ？」
困ったような表情だったので私が助け舟を出す。そう。私はじろ兄をすぐに起こす技を持っている。
「おぉ！じゃあA任せたぞ！」
「はーい！」
「…」
三郎がジト目でこっちを見てくるが気にしない。さっさとじろ兄を起こしてしまおう。
ノックを3回。
「じろ兄ー！！起きてるー？」
返事がない。まだ寝ているようだ。
仕方にない。あの手を使うか。
「入るからねー？」
一応答えは返ってこないが言っておいてから中にはいる。
完全に寝ている。熟睡している。いいなぁ…。私も寝たい。
だが一兄に任せられたから！ここは！
「じろ兄ー起きてー」
「んー」
返事が曖昧だ。
「一兄がじろ兄が起きないせいで怒ってるよ？」
「兄ちゃんが！！！」
あ、飛び起きた。一兄が行くとすんなり起きるので私は一兄の名前を出すことでじろ兄を起こすことを覚えた。
「ふふっ…冗談だよ！おはよ！じろ兄」
「なんだ…冗談か…おはよう」
「でも本当に起きないと遅刻するよ？」
時計を見てじろ兄は慌てて飛び出て言った。
騒がしいなぁ…でもこれが山田家の朝である。
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Lis(プロフ) - swmiyaさん» ありがとございます！頑張ります！ (2018年11月8日 22時) (
レス) id: b2944d25b6 (このIDを非表示/違反報告)
swmiya(プロフ) - めっちゃ好きな内容です！もし、続編あったら楽しみに待ってます！これからも、頑張って下さい！！ (2018年11月3日 16時) (レス) id: 2400e46195 (このIDを非表示/違反報告)
Lis(プロフ) - Sakiさん» ありがとうございます！ (2018年10月26日 17時) (レス) id: b2944d25b6 (このIDを非表示/違反報告)
Saki(プロフ) - 最高です！めっちゃ続きみたいです！いち兄のヤンデレみたいです！ 応援してます頑張ってください！ (2018年10月22日 20時) (レス) id: 0778e26687 (このIDを非表示/違反報告)
Lis(プロフ) - 雪兎さん» 内容としては肩慣らしに書いたものなので完結にしようと思っていたのですが、続きが見たい方がいらっしゃるならもうしばらく続けようかなと思います。 (2018年9月25日 17時) (レス) id: b2944d25b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lis | 作成日時：2018年9月4日 0時
