【コナン×文スト】太宰治が死んだら

・歪んだリスペクト ページ27

風見side


不味い事になった。

太宰が入社して1週間経った。
俺が予想していた通り太宰が、同僚から悪質な虐めにあっている。

太宰はと云うと余り気には留めていない様だが、落ち込んだ表情がたまに見られる。

気にしない様にしているが、それが逆に同僚の気を逆立てている。


「風見警部補！」


休憩室の自動販売機の前で休んでいると一人の部下が俺に話し掛けて来た。

焦ったような、怒ったような声だった。


「ど、どうして何も云わないんですか！彼はまだ新人でこれからだってのに。公安内部が崩れたら元も子もないですよ！」

風「俺もそうしたいのは山々なんだが…」


答えられずにいると、部下はもっと顔を顰めた。


「先輩が余り云えないお人なのは分かってます。僕からは立場上、何も云えないので、何とかこの件を穏便に済ませてください。お願いします」

風「あぁ、分かってる」


この部下も降谷さんを敬愛している。


風「お前は太宰をどう思ってるんだ？」

「何も思ってないってのは嘘になりますが、此処は実力主義です。彼が僕より優れている。それだけですよ。失礼します」


部下は颯爽と仕事へ戻っていった。
彼も心配しているのだろう。公安を。

この件に関して苛立ちを感じている者は俺とさっきの部下を含め、少なからず居る。

だが、太宰を苛んでいる者は、降谷さんを敬愛する上層部の者だ。

俺が云えなかったら、部下も何も云えない。



___どうして何もいわないんですか！


さっきの部下の言葉を思い出していた。
同僚に「みっともない行動をするな」と云える立場ではある。
決して俺が心が弱くて云えないという訳ではない。





命令を受けてしまったのだ。降谷さんから。

・庇う事のリスク→←・虐めという名の

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