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みんなもモモの歌声に喜んでいた。
そんな時だった。
「…!シット!」
六弥さんが声を上げた。
どうした?、と三月さんが声をかけると、
六弥さんは緊張した顔で答えた。
「客席の通路に、
あの時のウィザードいました!」
「ゼロですか!?」
「記者会見と同じように、
Re:valeのコンサートを、邪魔しに来たんだ!」
一織と七瀬さんが声を上げる。
…記者会見の時にもゼロが現れた、
と風のうわさで聞いたが、ゼロは本当に存在しているようだった。
「させるか!見つけて捕まえよう!」
「待って!
君たちが動いたら目立つ!
警備に…
ああ、もう。
血の気が多いんだから」
龍さんが言い終わる前にみんなはゼロの方へ向かっていった。
この場には私と龍さん。
『…行きます?』
「…そうだね」
一応彼らもアイドルだし、
なにかあっては困る。
そう思い龍さんとみんなの後を追いかけた。
「…下へ逃げた!」
楽さんが大声で叫んだ。
通路の階段をジャンプして下へ行くゼロらしき姿が見える。
手分けしよう、と楽さんが案を出していたが、
それを聞き流して先へ向かうことにした。
『お先にー』
「ちょ、おい…!」
楽さんが何か言っていたが無視。
本番用のドレス、動きにくいな、
なんて思いながら階段の手すりを使って飛び越える。
『あなた、何者…?』
やっと追いつき、
ゼロらしき人物に手をかけると、
ギロリ、と此方を向いた。
『…!』
全身に突き刺さるような視線、見覚えがある。
『もしかして…っ』
そんなことをしている間に、
ゼロらしき人物は先へ行ってしまった。
いや、まさかね。
あの人が、こんなことするわけがない。
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作者名:ReePhantom | 作成日時:2024年1月10日 18時