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「A、泣いてんの?」
『え?』
環に言われて目を擦ると濡れていた。
おかしいな、なんで泣いてるんだろう…
あぁ、そっか。
『みんな、優しいんだなって思って』
「Aのファンも、あんな感じじゃね?
オレらのファンも、Re:valeも、TRIGGERも。
…たまに怖いファンもいるけど、
そんなのより、オレ達を応援してくれる人の方が、
すげー多いよ。」
環からの意外な言葉に言葉を失う。
…環ってこんないい子だっけ…?
「だから、泣くなって」
『泣いて、ない』
「嘘つくな」
あぁ、みんなこんなにも暖かったんだ。
「どこいくの?」
『いい曲思いついた』
それから私は部屋に籠って、
何日だっただろうか?
なんとなくメロディーは出来ているのに、
上手く歌詞を付けられないままでいた。
そんな中スマホの着信音が部屋に鳴り響いた。
「Aちゃん、調子はどう?」
『普通、かな』
いつもと変わらない口調の万さん。
なんとなく安心する。
「かわいい後輩ちゃんたちから伝言もらっててさ、
もしよければ今から事務所に来れる?」
『…すぐ行くよ』
迎えに行こうか?と心配する声を聞き流し、
すぐにつくから、と一方的に電話を切った。
そして、いつもの見慣れた道を進んだ
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作者名:ReePhantom | 作成日時:2024年1月10日 18時