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「どうしたの?こんな時間に」

『理由を尋ねるなんてユキらしくないよ』

「そっちこそ、アポなしに来るなんてAらしくない」

あれから数日経ち、私はCDを持ってユキの家にやってきた。
もちろん突然の訪問だ。

急に来たにもかかわらず、リンゴジュースを出してくれるところ
これが普通の女の子なら完全に惹かれてしまうだろうか。

『ユキ、これつけて』

「せめて説明くらいほしいんだけど」

『今月の曲、持ってきた』

「…これ主旋律入ってないけど」

『これから入れるの、黙って聞いてて』

曲を最初から再生し直し、
マイクの前にスタンバイする。

弾けないなら、歌えばいい。

『砕けた心が濾過できなくて
涙はそっと枯れてゆく』

曲を歌い始めればさっきまで物々言っていた口は静かになった。

『__その線がさ 重なる地図
君を照らすために咲く花さ』

歌い終わり録画を停止させ、
ユキを見ると自然に目が合う。

『…あんまこっち見ないでよ』

「かわいいとこもあるのね」

これがモモや万さんアイナナちゃんたち、
TRIGGEREだったら私は歌えるのだろうか?

また歌えなくなるあの感覚が怖くて万さんにもこのことは言えていないままだった。

「ねえ、」

そんなことを考えているとユキが口を開いた

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作者名:ReePhantom | 作成日時:2024年1月10日 18時

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