未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ41)

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『本日もよろしくお願いいたします』

今日の収録はTRIGGEをゲストに呼んでの番組だった
メインタイトルは＿＿＿NATSU☆しようぜ！で1位のTRIGGEがゲスト

アイナナちゃんたちのデビュー曲だとしても、
春樹が作った曲
誰かには歌い続けてほしいという気持ちは確かにあった。

たとえそれがTRIGGEだとしても。

「ん、よろしく…」

「よろしくお願いします。
ごめんね、ここ最近天はこんな感じで…」

『ううん、気にしてないから大丈夫。
どうせ本番はちゃんとやるんでしょ？』

「まぁね」

「お前、天がこうなってる理由知ってんのか？」

『ただの高校生なのでわかりませんね』

「お前…こういうときだけ高校生使うんじゃねぇ…」

『えー、だって高校生だもーん』

「この…」

「まぁまぁ」

天はなんとなく予想はついているのかもしれない
でも、それを楽さんや龍さんが知ったら…？
楽さんは八乙女事務所の社長の息子らしいし、
この性格だし…不安が過る

そんなに大ごとにならずに済んでほしいな、なんて

＿＿＿＿＿

『今日は新曲、歌ってくれるんですよね？』

「はい、僕たちもこの曲はいつもと雰囲気が違うので、
歌っていて新鮮な気持ちになります」

「Aさんは何を歌ってくれるんですか？」

『私は内緒です。ではまず、TRIGGEから歌っていただきましょう。
NATSU☆しようぜ！、よろしくお願いします』

目の前でTRIGGEが一生懸命歌っているというのに、
心のどこかでもし、これがアイナナちゃんだったら、なんて考える

TRIGGEもアイナナちゃんも大切な私の後輩であって、
どちらがいいかなんて、それは難しい問題だった