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帰国後の御迎えもお兄様だけだった

「おかえり」

『ただいま、あのね…』

「帰ってきてすぐでごめんね、
今日はパーティーがあるんだ。
父さんが待っているから早めに帰ろうか」

『あ、うん。わかった。』

お兄様に春樹のこと話したらすごいって言ってくれるかな?
そんな子供の夢はすぐに崩れた
ここは日本で私は逢坂家の人間
思い出に浸っている時間なんてなかった。

家に帰り、お父様の所へ向かった
心配してくれるかな、とか一瞬でも考えた私が愚かだった

「今日はイギリスとアメリカから、それに日本のトップ企業が集まる。
留学していたんだろ?外国圏の挨拶くらいできるだろう」

『はい、わかりました。』

留学はしたけどノースメイアで、
話す言葉もノースメイア語だよ。
口から出そうになったが、抑えた

その後準備しているとお手伝いさんからこんなことを言われたっけ

「Aさん、帰ってきてから大人になったというか、
おしとやかになりましたね」

『そう?いつも通りだよ』

「素敵な出会いでもあったんですか?」

『そうね、素敵な人とは出会えたかも。おじさんだけど』

「それはよかったです。
さぁ、早く支度しないと間に合いませんよ」

『はーい』

この檻は確かに息がしにくい空間だった。
それでもお手伝いさんや叔父さんがいてくれたから生きていけたんだと思う。

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作者名:ReePhantom | 作成日時:2023年10月5日 23時

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