130 ページ33
お兄様と小等部のパンフレットを見ていた。
漢字ばかりで読める言葉が少なかったが、
キラキラした楽器が沢山乗っているページがあった
『お兄様、これは何?』
「これは音楽科だよ。楽器を演奏したり、
声楽では歌を歌ったり、音楽に沢山触れられるところだよ」
『そうなんだ。』
私はお兄様と同じように普通科への進学を求められていたが、
そんなことよりもこの音楽科に興味を持った。
その後部屋に閉じこもり、一人でパンフレットを読み進めた
難しい漢字は辞典で調べて読んでいった
どうしてもこの音楽科に入りたかった。
だから初めて一人で叔父さんの所に行った
「今日はAちゃん1人なのかい?」
『うん、ちょっと相談があって』
そう伝えると叔父さんは部屋に通してくれた
そこでどうしても音楽科に行きたいと話した
「叔父さんはいいと思うけど、あいつがなんて言うか…」
『だからね、がんしょってやつをすり替えようと思うの』
「でも、それだと面接でバレちゃうんじゃないかい?」
『大丈夫だよ。その前の実技で高い点数を取っておけば、
先生も面接で褒めてくれるかもしれない。
それに外だと殴れないし、なるべく穏便に済まそうとすると思うの』
「君は本当に賢いね、それでここに来たって言うことは相談があるんだろう?」
『うん、あのね。
必ずお金は返すから、ヴァイオリンを買って欲しいの。
1番安いやつでいい。お願いします』
初めておねだり、というものをした。
けれど叔父さんはにっこり笑って
初めてAちゃんからおねだりされたら買うしかないわな、と
快く受け入れてくれた。
123人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ReePhantom | 作成日時:2023年10月5日 23時