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お兄様と小等部のパンフレットを見ていた。
漢字ばかりで読める言葉が少なかったが、
キラキラした楽器が沢山乗っているページがあった

『お兄様、これは何?』

「これは音楽科だよ。楽器を演奏したり、
声楽では歌を歌ったり、音楽に沢山触れられるところだよ」

『そうなんだ。』

私はお兄様と同じように普通科への進学を求められていたが、
そんなことよりもこの音楽科に興味を持った。
その後部屋に閉じこもり、一人でパンフレットを読み進めた
難しい漢字は辞典で調べて読んでいった

どうしてもこの音楽科に入りたかった。
だから初めて一人で叔父さんの所に行った

「今日はAちゃん1人なのかい?」

『うん、ちょっと相談があって』

そう伝えると叔父さんは部屋に通してくれた
そこでどうしても音楽科に行きたいと話した

「叔父さんはいいと思うけど、あいつがなんて言うか…」

『だからね、がんしょってやつをすり替えようと思うの』

「でも、それだと面接でバレちゃうんじゃないかい?」

『大丈夫だよ。その前の実技で高い点数を取っておけば、
先生も面接で褒めてくれるかもしれない。
それに外だと殴れないし、なるべく穏便に済まそうとすると思うの』

「君は本当に賢いね、それでここに来たって言うことは相談があるんだろう?」

『うん、あのね。
必ずお金は返すから、ヴァイオリンを買って欲しいの。
1番安いやつでいい。お願いします』

初めておねだり、というものをした。
けれど叔父さんはにっこり笑って
初めてAちゃんからおねだりされたら買うしかないわな、と
快く受け入れてくれた。

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作者名:ReePhantom | 作成日時:2023年10月5日 23時

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