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私の一番古い記憶は、お父様に怒られた記憶

確かその時は幼稚園で初めて歌の練習をして、
先生に上手だねってほめてもらったんだ。
だから、お父様にも歌ったら褒めてくれると思った

『〜〜〜ってね、ようちえんで教えてもらったの!』

すごいねって言って欲しかっただけたのに
生まれて初めて転んでもいないのに痛みを感じた
すごくすごく痛かったのを覚えている

「歌なんてしょうもないことなんかより、もっと賢い生き方をしなさい」

『ごめん、なさい』

腫れた頬を抑えながら謝った
痛いのに、意外と涙は出てこなかった
幼いながらにお父様の前では歌を歌ってはいけないと知った



お父様とは違い、叔父さんは音楽で生きていた
そんな叔父さんの事がお兄様は大好きだった

たまにお兄様が叔父さんの家に遊びに行っていて、
私はその後ろをくっついて行っていた。

「Aちゃんは音楽は好きかい?」

『うん、みんなが褒めてくれるし、笑ってくれるから好き!
でもお父様は嫌いみたい』

「好きという気持ちを大切にするんだよ。
好きなことは時間も忘れて熱中できる、
でも嫌いなことはやろうとすら思えないんだ。
好きなことで溢れる人生を歩みなさい」

『うん!』

この時はまだ4歳位の時の記憶、
当時はよく分からずに頷いていた。
お兄様が叔父さんが大好きなように、
私も叔父さんが大好きだった

私たち兄妹が知らない世界を沢山教えてくれた、
聞かせてくれた、魅せてくれた


それから私はお兄様が通っている学校へ行くため、
お受験をすることになった。

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作者名:ReePhantom | 作成日時:2023年10月5日 23時

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