未完成のPiece3【アイナナ】 (ページ27)

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部屋を出てから少しだけ扉から音を拾う
アイナナちゃんたちが元気づけてくれているみたいで、
お兄様もここにいていいんだ、という声が聞こえた

寝る、というのは全くの嘘。
なんとなくあの場にいるのが気まずかったからだ

ライブ後ハイなのか全く眠くないので、
庭で練習をすることにした。

『…ふぅ』

数曲踊り、ふと上を見るとお兄様以外の部屋の電気がついていた
解散したかな…？
あと、もう一曲だけ踊って寝ようかな、
なんて思いながらプレイリストをスクロールする。

「あれ、まだ起きてたの？」

聞きなれた声に、振り返ると大和さん、三月さんがいた

『うまく寝付けなくて』

「お前さっきまでライブじゃなかったのか…？」

『まぁね』

大和さんがベンチに腰掛け、追いかけるように三月さんも隣に座った

『…買い物してきたんじゃないの？』

「帰る前に一曲見てこうと思って」

「Aさんのダンス、こんな近くでなかなか見れないんで、お願いします」

『…リクエストは？』

「じゃあ…Bad Appleでもいいですか？」

『いいよ、ちょっとまってね』

イヤフォンを外し、スピーカーに変える。
もちろんもう夜なので控えめの音量で

少しすると前奏が流れ、自然に体が動く

『流れてく、時の中ででも
けだるさがほらぐるぐる回って＿＿＿』