122 ページ25
「それが、なにか…？」
「僕のせいなんだ」
「FSCグループの会長は、僕の父親…逢坂壮士なんだ。」
「マジで…？」
「FSC！？ファイブスターカンパニーと言ったら、日本を代表する企業の一つですよ」
「Yes,世界的にも有名です」
「そこの、御曹司？」
「いいところの出だとは思ってたが…」
「でも、なんで壮五のせいなんだ？父ちゃんなら、応援してくれるだろ？」
「うちの父親は音楽活動を反対していたから…。
小鳥遊社長にスカウトされたときはやっぱり猛反対で…。
けど音楽を捨てることなんてできなくて…僕は大学をやめてこの事務所に入ったんだ。
その時に勘当されて、親子の縁は切れているんだけどね。」
そっか、お兄様も縁切って出てきたんだ。
そりゃそうだよね、出て行った娘がこんなアイドルなんかやって、
ついにはお兄様まで言い出すんだもん。
「家族を捨てたって言っていたのは、そういうことだったんですね」
「うん」
「なんで、音楽やりたかったんだ？」
「叔父がミュージシャンだったんだ。
売れてはいなかったけど、いつも楽しそうにバンドの話をしてくれた。
僕は叔父の音楽が好きだった。
けど僕と同じように反対されて勘当されたまま、
体を壊して亡くなってしまった。
叔父の葬式でみんながほらやっぱり、って言っているのがつらかった。
ほらやっぱり音楽なんて保証のないものに夢中になってたからこうなった
ほらやっぱりおかしな夢なんて追いかけてないで堅実に生きていれば幸せだった
ほらやっぱり、だけど僕は…」
「そんなことないって…？」
「うん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 123人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ReePhantom | 作成日時：2023年10月5日 23時
