ごっ ページ6
「じゃあ、俺からでもいいかな。」
最初に手を挙げたのはアホ毛の少年。この感じから察するに、アホ毛少年はクラスのまとめ役らしい。
「磯貝悠馬です。一応学級委員だから、何かあったら遠慮なく聞いてください。えーと、咲良さんと国木田先生は......暗殺者、なんですか?」
真剣な表情でいきなり核心に触れてきたアホ毛少年、もとい磯貝少年。教室内の空気もどこか張り詰めている中、その重い雰囲気をぶち壊すような軽い口調で私は口を尖らした。
「えー!私そんな凶悪な顔してる?ちょっとショックだなぁ。国木田くんならまだしも。」
む、と大袈裟に顔を顰めてみせると磯貝少年はわたわたと慌てたように弁解する。
「え!?あ、いやそんなことは!でもこんな教室に来るくらいだし......。」
裏の無い素直な反応に、中学生って可愛いなぁと思わず笑みを零すと、国木田くんに後頭部を小突かれた。いて。
「おいA、揶揄うのはそれくらいにしておけ。それに俺ならまだしもとはどういう意味だ。」
「そのままの意味だよ国木田くん。キミ顔怖いんだもん。もっとほら、にこーっと笑ってみなよ。太宰を見習ってさ。」
に、と悪戯っぽく笑ってみせると国木田くんの眉間のシワがぎゅっと増えた。あーあー、シワ取れなくなっちゃうよ。
「あの、ていうか何かめっちゃ仲良さげだけど、どういう関係?なんすか?」
金髪のチャラ少年が不思議そうに声を上げた。それに賛同するようにうんうんと頷き合う少年少女たち。
「あぁ、いい質問だね少年。そう、私たちは暗殺者では無く......いや、申し訳ないがこの話は後だね。」
「え?」
戸惑っている少年には悪いけれど、と窓の外に目をやる。空気が揺れている。これは.....。
「国木田くん。」
「あぁ、分かっている。」
頼もしい返事を返してくれた国木田くんも、鋭い目付きで窓の外を見やっていた。と、次の瞬間。ぶわっと強い風が吹き、その風と共に窓から勢いよく黄色い物体が飛び込んできた。
「にゅやぁあ!!皆さんおはようございます!すみません先生とした事がハワイを満喫しすぎてギリギリになってしまいましたぁ!!」
優に2mを超える大きさに、自在に蠢く黄色い触手。黒のアカデミックドレスに身を包んだそれは、どこか人間じみた言動をしている。
やぁ、初めまして、
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いろどり(プロフ) - 実和さん» 返信遅くなり申し訳ありません!ええ!そんな、凄く嬉しいです、待ってくださる方がいる事がモチベーションに繋がります! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ゑごまさん» 返信遅くなり申し訳ありません!不定期更新ですが、気長にお付き合いいただけると嬉しいです! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - ヴァンパイアさん» 返信遅くなりまして申し訳ありません!ありがとうございます、嬉しいお言葉が身に染みます! (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
いろどり(プロフ) - 河川革皮さん» 返信かなり遅れてしまって申し訳ありません!初めてのコメントとてつもなく嬉しかったです、ありがとうございます!頑張ります (2021年3月21日 20時) (レス) id: fed0e41e08 (このIDを非表示/違反報告)
実和(プロフ) - ワワワ、めちゃめちゃ楽しみに更新待ってたので通知来た瞬間飛んできました…!!!!!無理なさらない程度に更新頑張って下さい! (2021年1月14日 23時) (レス) id: 723f2dc3da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いろどり | 作成日時:2020年3月13日 15時