【文スト】とりあえず笑っとけ【暗殺教室】

よーん ページ5

｢国木田独歩だ。数学を担当する。｣

え、それだけ？面白味のない自己紹介だなと真面目くさった顔の国木田くんを見上げる。目が合ったかと思えばじろりと睨まれた。え、なに、考えてたことばれた？こわっ。

てへ、と可愛らしく笑って誤魔化すと、無言で顔を逸らされる。国木田くんったら酷いなぁ。

｢ねー、質問タイムとか無いの？あのタコもまだ来ないみたいだしさ。｣

私達がそんなやり取りをしていると、赤髪の少年が飄々とした笑みを浮かべながらそう言った。タコとは月を爆発したという超生物の事だろう。確かに見た目は黄色いタコだったな、と探偵社で目を通した資料を思い返す。

｢アイツは何をしているんだ......！！｣

元々鋭い目付きだったのを更に険しくした烏間先生。

｢さっきまで居たんだけど、ねぇ？｣

｢烏間先生に職員室を追い出されたのがショックだったのか、泣きながらハワイに傷心旅行へ行きました。｣

金髪の少女とアホ毛の少年の言葉に眉間を抑えて大きくため息をついた烏間先生は、どうやら国木田くんに似て苦労人らしい。

｢......分かった。アイツが来るまでだ。｣

｢やった！｣

｢さすが烏間先生ー！｣

わっと盛り上がる生徒たち。わお、そんなに私たちに興味があるのかな？なんてまあ、好奇心と警戒心が半々って感じっぽいけれど。

｢答えられる範囲で構わない。すまないな。｣

小さく謝ってきた烏間先生。同じ気配を感じたからか、国木田くんも文句を言うことは無かった。......お疲れ様です。

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