今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ19)

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「･･･この話するか迷ってん。聞かん方が良かった？」

首を急いで横に振る

知らなかったこと知れたし、誤解も解けた

･･･けど、やっぱり今は辛い

「ごめんな、嘘ついて

大倉と進展あったん？なんて聞いたけど、ほんまは話すタイミング伺ってただけやねん

演技上手かった？」

イタズラっぽく笑う丸ちゃんさんにしっかり騙されてしまった

『アカデミー狙えますね』

「ははっ、、それはおおきに」

乾いた笑い声が響いたあと、沈黙が続く

それと同時に、
頭にぶわーっと今聞いた事実と勝手な考えが渦巻く

処理できそうにない。

『あの、章大くんのお家の住所って分かりますか？』

「え、会いにいくん？」

『いや、家に章大くんが置いてった服があってそれ返そうと思って』

前、捨てようと思ってたけど結局できなかったあの服たち。

「捨てへんの？」

『そうしようと思ってたんですけど、送ることで私はもうこんなことできるぐらい吹っ切れてるよ。って思って貰えるかなーって』

章大くんが私を心配してあのお姉さんと幸せになれないのは申し訳ない。

だから、安心して欲しかった。
私の意図通り伝わるかわからないけど章大くんなら分かってる気がする。

『それで丸ちゃんさんに渡して欲しくて』

郵送で届いたダンボールを開けて彼氏、、、
いや旦那さんの服が詰まってたら変な方向であのお姉さんが誤解してしまうかもしれない。

だから丸ちゃんさんにこそって渡して欲しい

幸せな生活を私のせいで崩す訳にはいかないから

「Aちゃん、すごいなぁ。もう前に進もうとしてるやん」

やっと少しずつ前に進めてる。

もうこれで終わりにする。

薄まって美味しくなくなったオレンジジュースを飲み干した。