今宵、月夜に君は輝く。Ⅱ (ページ20)

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「Aちゃん、1人で洋服詰めれるん？」

『わかんないです、、』

もう前にすすもう！！って決めはしたけど、章大くんの匂い嗅いだら号泣するかもしれない。

なんか、別れた未練とかもあるけど
きっと色々悩んで辛かった章大くんの複雑すぎる気持ち考えて感情移入して泣いちゃう

「大倉に一緒にいて貰えばええやん」

少しニヤついてる丸ちゃんさん

「恋を忘れるには、恋しかないんやで」

聞いたことあるような、ないような言葉をドヤ顔で言い

「大倉への連絡は任せろ！」

親指を立てた。

・

「丸からの連絡俺よく分かってないねんけど大丈夫？」

丸ちゃんさんのせいでとう言うべきかおかげでと言うべきか。

私の部屋の中には大倉さん。

『ちなみに丸ちゃんさんからなんて連絡あったんですか...？』

「なんか、Aちゃんが泣かんように服詰め見守ってて！って」

＂元彼の＂が抜けてて意味不明すぎる。
いや、入っていたとこで意味わからないか、、

あのピーンと立ってた親指が憎たらしくなってきた

『実は部屋にある元カレの服、彼に返そうと思って。返すためにダンボールに詰めるってだけなんです。すみません、それだけで呼んじゃって…』

呼んだのは丸ちゃんさんだけど！

『なので全然帰っちゃって大丈夫ですよ？』

こんなことで多忙な日々で疲れてる大倉さんの時間を私なんかに使わせちゃうのが申し訳なくなってきた

「いや、アカンよ。だって泣いちゃうかもなんやろ。しかも、それだけなんて言うけど結構重大やん。頑張って決心したんやろ？」

私のくだらないことを真面目に受け取ってくれて、

優しく笑う大倉さんに、胸が締め付けられる。