今宵、月夜に君は輝く。 (ページ9)

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大声効果があったのか、薄らと目を開ける隣人さん

『肩、捕まってください』

隣人さんの手を私の肩に持っていき、立たせる

『鍵、貸してください』

「んふっ、どーそ」

へにゃへにゃしながら私の手にポンっと鍵を乗せて体重を私にかけてくる

なんとか、踏ん張って倒れそうになるのを耐える

これで、この人の家がここじゃなかったらかなり危ない人だよね

ドキドしながら、鍵を鍵穴に入れるとしっかり回った

開いたのはいいけど、このまま入ちゃっていいのか？

葛藤してると、さっきよりかかる体重が増えた

『嘘でしょ…』

隣を見ると、爆睡してる

入らないと行けないじゃん……

恐る恐る玄関に1歩入る。

このままリビングに入るのは、なんか腰が引けるから男の人をとりあえず座らせる

『もう、このままでいっか…』

ここまでしただけ偉いよねって、自分自身に問いかける

この硬いフローリングの上じゃ朝起きたら、身体痛いだろうな、、、

そんなことを思いながら、鞄の中からメモ付箋とボールペンを出す

＂私の家の扉の前で、爆睡していらっしゃったのでご自身の家の中に入って頂きました。 1人では心配でしたので、勝手に入ってしまいました。すいません。鍵は、ポストの中に入れて置きます。隣人より。＂

本体から付箋剥がして、どこか貼るいい場所がないか探す

絶対に気づく場所……

『あっ…』

いい場所みっけ、、

『失礼しまーす…』

起こさないように小さく呟いてそっとソノ場所に貼る

ここなら、絶対気づいてくれるな、

そして、玄関を出て鍵をかけたあと、手紙に書いた通りポストに入れておく

自分の鍵を出す時に、ふと腕時計を見るともうすぐ1時

明日も仕事なのに、こんな時間になってた。
やばい、やばい……

焦りながら、急いで寝る準備をした