今宵、月夜に君は輝く。 (ページ13)

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「ええ飲みっぷりやな〜仕事終わり？」

『そうです！』

私も隣人さんもスーツ

きっと、隣人さんも仕事終わり

こういう時は、＂○○さんも？＂って聞くんだろうけど

あいにく隣人さんの名前が分からない

「今、何歳？」

『26歳です。えっと～…』

なんて聞き返せばいい？

貴方は？
隣人さんは？
君は？

＂君は？＂は、年上だったら失礼すぎる。

私より少し上ぐらいかな？

20代ぽいな

「俺は、31」

『31？！』

慌てて口を抑えるけどもう遅い

すんごい大きな声出ちゃった…

「もっと、上に見えた？笑」

『いや、逆です』

「嘘やん俺そんな若く見えてんの？嬉しいなあ」

20代かと思ったら、30代…

確かに、この落ち着いた色気は20代には出せないな、、

『20代かと思ってた……』

「えー？俺もまだまだいけるんかな」

豪快に笑って、ビールを1口飲んだ隣人さん
余裕でいけますよ、、って言葉はビールと一緒に飲み込む

「お名前は？」

『日比谷Aです』

「Aちゃん、ね」

いきなりの名前呼びにキュンとする

これは、たしかに20代じゃない
相当な量の経験がありそう、、、

「俺は、大倉忠義」

『大倉さんですね』

「下の名前でええのに～」

『いや、いや… 無理ですよ…』

5歳上の人をいきなり名前呼びはハードルが高い
しかも、初対面で。

あ、爆睡の時も含めたら2度目か

「でも、大倉さんってなんかええな」

『え？』

「いや、呼び捨てで大倉とか下の名前呼びが多いねん

同じ部署に、大倉2人おんねん
ややこしいから、下の名前呼びされてんの」

そう言ってニコッと笑った。
めちゃくちゃイケメンじゃん、、

なんの仕事してるんだろう。

『お職業は何されてるんですか？』

「アパレルプレス」

『お洒落！すごいモテそうですね！』

響きがお洒落！なんて幼稚なことを考える

てか大倉さんのお強い顔面ならどんな仕事でもモテるか、

「今はフリーやで？ Aちゃんは？」

『…同じく』

てか、つい最近フリーになりました。

『大倉さんはいつ頃から？』

「3ヶ月前ぐらいかな、
Aちゃんは？」

『私は、、一昨日です』

誰にも話さなかったのに
ただの隣人さんに話させたお酒のパワー恐るべし