No.3 ページ4
side A
うわ、時間やばいかも。焦りながら走る。
3限目は13時50分から。時計は13時30分を指している。
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彼女は教室に着いた瞬間、始業のチャイムが鳴った。
急いで友人の姿を探す。先生にジロっと見られる。
友人のユリカが小さく手を振る。
急いでユリカの隣に座る。
ユリカ「大丈夫?」「遅刻ギリギリなんて珍しいじゃん」
「熱中症で倒れた人がいて、思わず…」
ユリカ「ええ…また?Aほどのお人よしは知らないわ…」
「放っておけなくて」
ユリカは言い方は少しきついが、それは私のことをよく理解しているからだ。
ユリカとは、大学入学してすぐ仲良くなった。
同じ授業を履修しているので、大学にいる間も遊ぶ時もいつも一緒だ。
ユリカは英語だけじゃなくスペイン語もネイティブクラスに話せる。尊敬できる親友だ。
最近はYoutuberにハマっているらしく、よく見せられる。
授業が始まり、話す余裕がなくなる。
授業はpronunciation 発音の授業だ。
集中していると、助けた彼のことは、すっかり記憶の奥に沈んでしまった。
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家に帰ってきて、新聞を読む。
授業で英字新聞を読むことを勧められ、読んでみると、難しいが面白くてハマってしまった。
私は猫のミーと2人暮らしをしている。
ペット可のマンションは平均的に家賃が高く、予算的に狭い部屋を選ぶしかなかった。
でも、この部屋が大好きだ。狭いなりにキッチンは広めで、観葉植物が沢山置いてある。
夜になって、洗濯をしているとき。
「あれ、ハンカチどうしたんだっけ」
「あ!あの男の人に貸したままだ…」
お気に入りのポール&ジョーのハンカチだったため少し落ち込む。
「でも、私が助けなかったら、あの人は倒れて危なかった」
「今日は本当に暑かったからなぁ」「あの人、無事にお家に帰れたかな」
そう思いながら家事を終わらせる。
ふと時計が目に入り
「うわ!明日は1限からじゃん!」
私は朝が弱いため、夜遅くまで起きていると本当に朝起きれないのだ。
ベットに入って少し経つと、不思議な気持ちになった。
なんだか、またあの人に会える気がする
「会えたらいいなぁ」「ふふ、名前も知らないのに.. 」
そう考えているといつの間にか眠ってしまった。
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作者名:Nana | 作成日時:2021年1月17日 3時