No.4 ページ5
Aside
ピピピピ…ピピ パシッ
うわぁ…朝だ。「眠い…」目覚ましを止めながら、絶望する。
朝だけはどうにも苦手だ…
唸っていても仕方ないので、もぞもぞと動き出す。
コーヒーメーカーに豆を入れ、食パンをトーストする。
ハムと目玉焼きを焼き、食パンの上に置く。
「ラピュタみたい」思わず顔がほころぶ。
メイクを済ませて、服を着替える。「よし！今日も頑張ろう」
私は大学と少し離れた場所に住んでいるので、電車で通学している。
電車で揺られていると、ユリカからラインが届いた。
[見て！この動画！めっちゃ面白いから！！]
ユリカは出身が関西なので、興奮すると関西弁が出る。
最近、よくyoutubeのリンクが送られてくる。
暇なことに変わりはないので、イヤホンをして動画を見る。
「東大生10人で朝までそれ正解？？」
「東大生がYoutuberやってるんだ…」「…あれ？」
「あれ！？？？」
「この人知ってる」
「この人、昨日倒れてたハンカチのひとじゃん！」
思わず「ヒェッ」と出てしまい。とっさに口を噤む。
登録者…150万人？
「ええ、嘘でしょ」
頭がぐらぐらする。「河村さんかぁ」
「動画では元気そうだ…よかった」 混乱していても、彼のことを知れて少し嬉しくなった。
学校について授業を受ける。1限2限は必修の授業なので、特に難しい。
お昼休み 学食でユリカとお昼を食べる。
ユリカ「ねえ！クイズノックの動画見た！？やばくない？」「めっちゃ面白くて大好きなんだけど」
「私はね〜やっぱり伊沢さんかっこいいんだよね〜」「Aは？？誰がカッコいい？」
ユリカは相変わらず、好きなものには饒舌になる。
「ええ…そんな急に言われても…」
(これは河村さんのこと言えないな)(きっと彼に迷惑かかってしまう)
「もっと動画見てからね！」「ねえユリカ、ほかにおすすめの動画ある？」
ユリカはポカンとした顔をして「Youtuberに興味持つなんて珍しい」
「いつも猫の動画しかみないのに」
「た、たまにはいいでしょ！」「それに話している内容も知的で面白かったから」
それは事実だ。なんだか心臓がトクトク鳴ってる。だめだ、落ち着こう。
ユリカに悟られたくなくて他愛もない話をする。
ユリカ「あ、今日サークルあるから先行くわ！」そういってユリカは行ってしまった。
食堂の自販機でコーヒーを買う。
また会えるって思ったのは夢のまた夢ね。
もうすぐ期末試験だし、学業に専念しよ！そう言って高鳴る胸を隠した。
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作者名：Nana | 作成日時：2021年1月17日 3時
