【291】__アンSIDE ページ34
『……コードつきの世界は、アンが思っている以上に狭いよ』
ああ、馬鹿だ。
教科書で習った、先生から習った、大人から習った、世間や社会から習った……。
他人事のように過ごしていた僕には全く以て分からない。
無慈悲に、ただ束縛される。何の意味もなく、何の意味なのか分からず、じわじわと自分の世界が壊れていく感覚。
それを……知っていた筈の僕が____あの子になんて言ったんだ。
目の前のこの女が腹立たしい、世界が、社会が腹立たしい。けど、それ以上に、あの子に軽々しく言った自分がムカツク。
アン「っ……クソ」
バッと手に持っていた籠を目の前の女に押し付ける。
その上から、今まで溜めてきたこの店のポイントカードを破り捨ててやった。
店長「っ!?そ、それポイントカード!あ、あと少しで達成で…」
アン「いらないよ。それも全部、いらない」
店長「い、いらないって」
アン「二度と来るか、こんな店」
目の前で狼狽して怯える女に背を向け、店を飛び出した。
辺りを見回して、Aの姿を探す。
何て言えばいいのか、自分の中でまとまってない。
このまま見つければ、僕はとんでもない言葉を吐いてしまうかもしれない、
けど、それでも今すぐ見つけてあげたかった。
あの女に、世間から突き飛ばされたあの子に、ただ言葉をかけて、優しくしたかった。
アン「っ!!A!!!」
フロアの端っこのベンチ。
誰もいない空間でただ1人、Aは俯いて座っていた。
僕の呼びかけにハッとして、顔を上げたAは……
いつかのクソ野郎に批判された時と同じように、泣くのを堪えるように、憔悴しきった表情をしていた。
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テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» 評価1回しか押せないのにそんな何度も・・!ありがとうございます!更新頑張ります! (2021年12月2日 23時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
わらわら - こんわ!毎日見てます!あのポケカラとゆうアプリなんですけど、、歌わなくっていいので!そのメッセージでなりきりしませんか?私のは「栗花落アリス」って書けばでます!オーバーでしたらいらないやつを消してください (2021年12月2日 21時) (レス) id: 8f9b2ed954 (このIDを非表示/違反報告)
らむね - 何回も何回も評価押しちゃう...。更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2021年11月29日 23時) (レス) id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - ゆいゆいさん» 折角お誘い頂けたのに、すいませんでした!ありがとうございます (2021年11月25日 14時) (レス) id: a3dd506789 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいゆい - テルミヤコウジさん» 別にいいですよ!これからも読み続けるので頑張ってください! (2021年11月25日 14時) (レス) id: 9bf949a5b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年11月21日 21時