羅刹の幻影は囁く part10

【290】＿＿アンSIDE ページ33

…え？追い出した？
なんで？コード付きだからって理由で追い出したの？


店長「フォークナーさんも、もしかして騙されていたんですか？あの人、コード付きなんですよ。最近、コード付きの犯罪者の事件が起きたばかりなのに…。BAEの活動も邪魔される可能性があるから、これ以上関わりになるのはやめた方が良いですよ」

アン「………………何て言って、追い出したの」

店長「え？」

アン「何て言って、追い出したのって聞いてんの」



思わず言葉が強くなってる。けど、理性的に聞くことなんて今の僕にはできなかった。


店長「っ…そ、その…は、犯罪者の方が出入りされたり、商品を買われるとうちにも悪評が立ちますし…BAEにも悪いうわさが立つからって」

アン「それ、あの子に言ったの？Aに言ったの？コードだからって、一客にそんなこと」

店長「コ、コード付きの方に人権なんてないって、ニュースでもやっているじゃないですか！」



「だから間違ってないです」と喚くこの女に怒りが込み上げる。
ぐっと拳を固め、思わずその手を振り上げたい気持ちまでいった、

けどその前に、肩を大きな手でつかまれる。



実里「アンちゃん」
アン「っ！」


僕を紙一重で止めたのは、みのりんだった。メイクの事で楽しそうに話していた顔とは一変して、至極真面目な顔だつた。



実里「アイツも言ってたでしょ。これがあの子達の世界なの」
アン「っ……」
実里「アイツ等にとって、アンちゃんたちみたいな人が、貴重な存在なのよ」

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