【145】 ページ18
今まで雷麺亭で仕事をしていたのか、晴兄の匂いと共に、油の香りが鼻につく。
だけど、全然不快感はなく、寧ろ昔馴染みのその香りがどうしようもなく落ち着いた。
そう言えば…昔からそれが好きでしがみついていたっけ。
『……家族でいて、いい？迷惑ばっかりかける妹だけど』
晴臣「言わせるな、馬鹿。いいにきまってるだろ。お前以外に俺の妹はいねぇよ」
『…うん。私も、晴兄は最高のお兄ちゃんだよ』
晴臣「知ってる」
なんだそれ、自画自賛じゃないか。
こんな状態なのにふふっと笑ってしまう。
先ほどの怒りが嘘のように、優しく私の頭を撫でてくれる。
私に撫でられている時のリックはこういう気分なんだろうか…と勝手に考えていると、
グーッと不似合いな音が響いた。
暫く沈黙が続くと、ハッと晴兄に鼻で笑われた。
ご飯まだ食べてなかったからって、タイミング考えてほしい。
すっと体を放した晴兄は頭をなでながら「飯でもするか」と笑いかけてくれた。
常連のお客さんとか、綺麗な女の人とかにも基本的に無表情だけど、ふいに優しく笑みを浮かべてくれる。この顔を女の人の前でしたら沢山モテるだろうに。
そんなことを考えていると頬を抓られた。
『にゃ、にゃぃ』
晴臣「変な事考えてそうだったからな」
『ひあぅ』
晴臣「飯、何でもいいな。残り物しかねぇから文句言うなよ」
『うぅっ』
抓られた頬を撫でながら、厨房へ立つ晴兄をジーッと見る。
10以上も放れているし、血は繋がっていない。世間から見たら他人と言っていい。
けど、それでも出来うる事なら…死ぬまで、この人とは義兄弟でいたい。
『…晴兄』
晴臣「なんだ」
『いつもありがとう』
晴臣「…んだよ、急に」
ふっと顔を逸らし、背を向けてしまう。
呆れた、というよりも照れたんだろうな。
意外と照れ屋な義兄に笑いつつ、漂ってくる芳しい匂いに鼻を鳴らすのだった。
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らむね - 善さんはなにを知っているんだろう...。続き楽しみです！ (2021年10月20日 16時) (
レス) @page49 id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» ありがとうございます！拙い文字力ではありますが、楽しんでもらう様に続き頑張ります！ (2021年10月3日 22時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - いえいえ！オリジナル要素たくさんで逆に面白いです！毎回わくわくしながらみてますよ！なので問題なしです！！ (2021年10月3日 15時) (レス) @page32 id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
テルミヤコウジ(プロフ) - らむねさん» ご期待に添えられるように、頑張って考えて書きます！でも、オリジナル要素多すぎなので置いてきぼり展開になったらごめんなさい_(._.)_ (2021年10月2日 22時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
らむね - コードの事ばれちゃった…どんな展開になるのか楽しみです！ (2021年10月1日 15時) (レス) @page29 id: 663a3c4de7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年9月14日 20時
