羅刹の幻影は囁く part5

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ボス「あれが盗られたのはこっちにとって痛手なんだよ。責任取ってもらわねぇと困る」

『困る？なんで？私は仕事をしただけ。そもそもアレ事態は、元々客のものだろ。お前等が勝手に盗んだものを取り返して何が悪い』

ボス「口がよく回る小娘だな。とられるもんが悪ぃんだろ」

『へーその言葉そっくりそのまま返すよ』



逆切れして暴れるタイプの奴じゃないことが救いだが、これはこれで面倒だ。
神林と西門さんが戻って来てくれたらいいんだけど………いや、ダメか。あの男(神林)暴れるな。


『責任というなら客の方へ行け。もう関係ない』
ボス「んな事が筋徹と思ってるのか？」
『嫌ならセキュリティーをしっかりしておけばよかっただろ？それか警察にでも行く？元々盗みを行ったのはお前等だから、しょっ引かれるのはお前等が先だけど』


ハッと鼻で笑うと周囲の取り巻き数名が眉を寄せている。
大柄の男も表情は笑みだが目が笑っていないし、苛立ち君に貧乏ゆすりをし始めている。



ボス「まぁ、聞けよ。いきなり暴行しよーってわけじゃねぇ」

『よくいうよ』

ボス「今から俺と勝負して、勝ったらこの件は水に流してやる。お前にも後ろの小僧共、この店にも干渉しねぇ」

『受ける理由も何も、巻き込まれる意味が分からないんだが』

ボス「ただし負けたら俺たちの道具になってもらうぞ。“仲介人殿”」




ニヤニヤと下衆の笑みを浮かべた野郎に溜息がこぼれる。
何か勝手に勝負が決まってて、ムカつくのだが…受けないと、店で大暴れしそうだな。

はぁと溜息を吐き、店の大量の酒瓶に視線を向ける。
勝負内容をどうするかと口を開いた奴に『アレでしよう』と瓶を指さす。



『酒の飲み比べ勝負で、どうだ。負けた奴が勝ったもんのいう事聞くのと全額支払う』
ボス「へぇ、そんなちっちぇ図体で俺に酒飲みしよーってか？」



取り巻き数名がヒソヒソ笑いを浮かべ始める。
こういっているという事はかなりの酒豪か、たんに私をなめているのか。

まぁ、どっちにしろいいけども。

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