羅刹の幻影は囁く part5

【175】＿＿神林SIDE ページ16

急に人の事爆笑しだしたと思ったら、俺が自分の兄貴に似てると言ってきた。
つーか、こいつ普通に笑えるんだな。



神林「アニキィ？お前みたいな図々しい妹持った覚えねぇよ」
『図々しい余計な。まぁ、アンタとは似てないよ。あっちの方が冷静で、何より大人っぽいし』
神林「まるで俺がガキっぽいって言い方だな」
『そうだろ？』
神林「くたばれ、このクソガキ」



恩を仇で返す真似ばっかりしやがって！
つーか、西門や四季と態度違い過ぎるだろ！！


神林「つーか、実の妹がこんな傷だらけって兄貴としても嫌だろ」
『……あー、血は繋がってないよ。義兄って言い方になるかな』


　
また面倒な所突いたか？と思ったが、どうやらそうでもなさそうだ。
傷口を触っているところを見るに、傷だらけって所に反応してんだな。



神林「お前の兄貴は知ってるのかよ、お前の仕事」
『知ってるよ。そのうえで普通に接してくれる……迷惑ばかりかけるけど』


見限られてもいいくらいなのに、と乾いた笑みを見せる。
さっきの大笑いとは全く違う、作られた笑みだ。

はぁと溜息を吐いて、タバコを1本吸う。
煙を吐き出すと、小ばかにされていた事が薄れ、気分が落ち着いてくる。




つーか、それ…迷惑って言うより、普通に心配してんだろ。
実里だって結構心配してるし…コイツ全然わかってねぇな。自分の事にはとことん疎いタイプか、長生きしねぇタイプだな。

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