【DESIRE】7 ページ36
NO SIDE
昨晩、雷麺亭にて満腹状態になり事務所へ帰宅したAは、帰宅して早々ソファで眠った。翌日である今日は仕事が入っていなかったため、一日中寝てやるという意思を固めていた。
が、そんな安息の眠りを妨げるように、事務所の電話が鳴り響く。
眉を寄せ、ソファに丸くなり、耳をふさぐ。
諦めるだろうと読んで暫くジッと耐えていたが、1分、2分と経っても電話は途切れない。
『…しつこっ』
苛立ち気に呟き、渋々と電話に出た。
『……はい、よろずや〈おそい！！！！！〉っ！？』
開口早々、耳に突き刺す声にハッと意識を覚醒させたA。事務机で転がって居たリックも驚いて机から落ちそうになっていたのを慌てて受け止めるA。
体制を立て直し、受話器を耳から遠ざけて『はい？』と再度訪ねた。
＿〈いないと思ったら、ちゃんといるじゃん！！じゃあ出てよ！！萬屋でしょ！〉
『………だ、れかと思ったら……アンか』
劈くような声に耳を抑えながら、声の主の名を出す。
かけてきた相手は、BAEのアン・フォークナー。電話をなぜかけてきたのかと首をかしげながら要件は？と尋ねた。
アン〈今暇でしょ〉
『え……いや、いそが〈暇だよね〉………あ、はい。暇です』
なぜか敬語になりつつ、肯定するA。
よかった、と電話越しにアンが呟くと〈今すぐ家に来て〉と言われる。
『家って、BAEの自宅？』
アン〈そう。場所分かるよね〉
『そりゃ、わかるけど…なんで』
アン〈依頼。お金はちゃんと払うから！とにかく急いで！〉
『は？ちょ……っ！』
ガチャッと電話を切られ、ツーツーとしたコール音しか残らない。
唖然としつつ、受話器を置く。
『…うわっ、行きたくなっ』
項垂れる飼い主の肩に飛び乗るリック。
『リック…行きたくないよ』
そう言いながらリックの顎の部分をツンツンと撫でる。撫でられている本人は気持ちよさそうに目を細めているが、Aの質問には答えようがない。
『けど分かる。いかないと次会った時、もっと面倒くさくなる』
休めと言われたばかりなのになぁ、と吐きつつも顔を洗うため、立ち上がった。
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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます！これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします！ (2022年1月9日 9時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月17日 23時
