【97】＿＿アンSIDE ページ3
刹那、
ドシンッとAをつかんでいた客が尻もちをついた。
慌ててAを見るけど、本人は平然とした顔で胸元を正している。
お客「テメェっ！！」
こけさせられたのか、自分から転んだのか分からなかったけど、真っ赤な顔で激怒している客。そんな客に目線をあわせるようにしゃがみ込んだA。
……遠くだからよく見えないけど、なにか言ってる？
善「っ！！Aくん！！」
アン「！」
奥からバイトの子に連れられて、善さんが来た。
その後ろには翠石さんもいる。
善「お客様！一体何を……」
お客「っ…か、かえる」
善「え？」
お客「か、金なら全部出す！！だ、だから帰る！！か、帰らせてくれ！！」
さっきまでの勢いがどこへ行ったのか、懐にあった財布を善さんに押し付けて、出入り口の方へ走っていく。困惑する善さんだが、慌てて入り口にいた黒服に止めるように促していた。
アン「なに？何なの？……」
しゃがみ込んでいたAはいつの間にか、翠石さんの近くにいて、耳元で何かを喋っていた。それに頷いた翠石さんが、前に出てきた。
依織「お客様〜！この度は、お騒がせしてしまい、ほんますいませんでした。お詫びと言っては何ですが、今からの酒代＆フード代はぜーぶん！CANDYからの奢りにさせていただきます！
しけた空気忘れて、騒いでくださいね！」
いつもの陽気なテンションで語る依織さん。
それを見て、客側もボーイもどこかほっとした様子で、ホールが賑わいを取り戻した。
客「アンちゃん、大丈夫かい？怖かったなら、今日はもういいんだよ？」
アン「…！だ、大丈夫だよ〜。ほら、オーナーもああ言っているんだから、じゃんじゃん飲もう！」
気にはなったけど、今の僕はこの店のNO,1。しっかりとお客と接しないと。
おじさんを盛り上げるため、会話をする中、横目で顔を俯かせている新人のキャバ嬢と共に裏へ下がっていくAが見えた。
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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます！これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします！ (2022年1月9日 9時) (
レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年7月17日 23時
