【96】__アンSIDE ページ2
あーあー、やっちゃった。しかもあの子、新人だ。
ああいう対処、まだできないのに…。
お客「俺は、風間組のもんだぞ!わかってんのか!?あぁ!?」
キャバ嬢「っ…そ、そんなつもりは」
お客「だったら、胸くらいでキャーキャーわめくんじゃねーよ!」
あっ、あれは客がクズだ。
この店はおさわり禁止だってのに…最初の時に聞かなかったのかよ。
アン「ごめんねぇ、ちょっとフォローに…」
おじさん客にそういい、席を立とうとした時、『いかがなさいましたか』という声が聴こえてきた。バッと振り向くと、ボーイを掴み上げているクレーマー客の所にAがいた。
その手には、水が入ったグラスがあった。
お客「あ?んだ、お前」
『当店のサービスにご不満でもありましたでしょうか』
お客「不満もなにもこの女が、客相手に抵抗したからだろうが!」
『……抵抗、といいますと、胸を触らせまいとしたことですか』
お客「当たり前だろ!」
『ならば、当店のルール的には何も問題ございません。【CANDY】はおさわり行為などを一切禁じております。失礼ですが、当初のガイドラインをお読みに…』
お客「てめぇも俺に逆らうってか!!?」
ドンッと掴んでいたボーイを突き離し、今度はAに掴みかかっていた。
Aが持っていた水が服にかかって、ちょっと濡れてる。そんなことお構いなしに、客はAの胸ぐらをつかんでる。
流石にまずい、初めて入ったばかりなのに。
慌てて立ち上がり、席へ近づこうとしたけど、ふとAが一切動かない事に気付いた。
ビビッてるわけじゃない、震えてもないし。
『暴力行為も禁止となっています。これ以上積み重ねるなら、早急に対処しますよ』
お客「対処だぁ?んだよ、やってみやがれ!…つーか、よくみりゃお前もいい顔しているなぁ。ボーイなんかやってるけど、本当はそっちの方をやりてぇんじゃねぇのか?」
女だと気づいて、胸ぐらをつかんでいた手を緩めて、蝶ネクタイに手をかけていた。
バタバタと奥から黒服の人たちがやってきて、ほっとする。
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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます!これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします! (2022年1月9日 9時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年7月17日 23時