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【106】 ページ14

ASIDE




珂波汰「ボロッ」
那由汰「暗っ」
『屋根ありゃ人間生きていけるだろ』



弱み握ろうとしていたcozmezを連れて、事務所に戻って早々この悪口。実際その通りだけど、本人がいないところで言ってほしい。

鍵を開けて中に招き入れると、また「狭い」だの「意外と普通」だの、そこそこの悪口を吐かれた。お前等の家も当てはまる言葉なんだがな。


ふと、事務机で丸くなっていたリックが私の顔を見て早々、飛びついてきた。
後ろの方で那由汰が「あ、フワフワなやつだ」と声を弾ませている。




那由汰「なぁなぁ、名前なんていうの、そのネズミ」
『ネズミじゃなくて、チンチラな。名前はリックだよ』
那由汰「へー、リックかぁ。オス?メス?」
『そこ重要?……オスだよ』



リックを手のひらに乗せ、机の上に置く。
何か欲しそうに、小さな手をAの指にすり寄るリック。


『おい、珂波汰』
珂波汰「あ?気安く呼ぶ…なぁ!?」


オラつく珂波汰に向かって小さな袋を投げつける。
慌てて受け取めた珂波汰は「何すんだよ!」とまた怒鳴ってきた。


『準備するから、それリックにあげて』
珂波汰「それ?………んだ、これ」
那由汰「くさ?」
『チモシーな。おやつみたいなもん。それならいくらでもあげていいから』
珂波汰「なんで、俺が……って、うわっ!?俺の服にしがみつくな!」


 
リックと戯れる2人を見つつ、しゃがみ込んでソファをずらす。
ずらしたそこには小さな隠し扉があり、中を開けるとアタッシュケースが入っていた。



珂波汰「何、それ?」
那由汰「金?」
『金にはなるやつだな』



アタッシュケースの中を2人に見せるように開く。
私にとっては見慣れた物だが、2人は初めて見るのか目を丸くしている。

中にある“黒い石”に。




那由汰「石?なんか凄ぇ黒いけど」
珂波汰「何で、んなもんケースにまでいれて…」



首をかしげる2人を置いて、窓の方でカーテンを閉めて、部屋の電気を消す。
多少光はこぼれるが、まぁ十分だろう。

ずらしたソファに座り、机の引き出しからハンマーを取り出すと、石に向かって振り下ろした。


珂波汰「は?ちょ……」



珂波汰の言葉を遮るように、カキィンという音が部屋に響く。
見た目のわりに、意外と脆い石は2つ割れた。


たじろく2人に見てみろと、割れた石の内部を見せた。





那由汰「…え?」

珂波汰「光ってる?」




淡く翡翠に似た色に煌めく石を見て驚いた様子だった。

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テルミヤコウジ(プロフ) - KARAKARA666_さん» ありがとうございます!これからも更新続けていきますので、よろしくお願いします! (2022年1月9日 9時) (レス) id: 3b90083b4f (このIDを非表示/違反報告)
KARAKARA666_(プロフ) - 素敵な作品を作ってくださりありがとうございます。これからも楽しみにしています (2022年1月8日 2時) (レス) id: c4cee0671b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年7月17日 23時

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