【61】＿＿リュウ＆四季 SIDE ページ15
その時、フードの隙間から灰色の毛が顔を出し、四季に飛びついた。
うわっ、と声を出し毛玉を受け止めると…それは以前にも出会ったリックだった。
四季「あれ、この子前にCLUBの前であった…」
リュウ「あ〜リュウ君の子分2号！アイアイサー、隊長リュウ君、ふっかーーつ！」
四季「リュ、リュウ君。そ、そんなに突いたら可哀想だよ」
ツンツンと毛並みを突くリュウから守るように背を向ける四季。
そんな2人と1匹の様子を見ていた女こと、Aは溜息を吐く。
『君ら、怪我はないのか』
Aの存在を思い出し、ビシッと体を固くする四季だが、次に聴こえてきたその言葉に意外そうに目を丸くした。慌てて「は、はい」と言うと『そうか』とだけ返される。
『同類が迷惑かけたな。けど、君らも気をつけろ』
四季「は、はい……。そ、そのご迷惑、おかけしました」
リュウ「サンキューグッド、ベリマッジー！リュウ君、感謝感激！ふ〜ん！」
『いや、別に……って、近い、近い』
一気に距離を詰められ、さっと離れるA。
リュウ君と叫び、止める四季。
その2人の様子を見て、『怒らせた理由が100％君だと分かったよ』と小声で呟いた。
『君ら、The Cat’s Whiskers だな』
闇堂「あ……は、はい」
ニコニコしているリュウからビクビクと怯える四季に視線を写し、フード越しに頭を掻く。そして、2、3歩ほど四季から距離を取った。
四季「？………あ、あの」
『いや、怖いだろうから、ソイツを撫でながらでいいよ』
四季「！(もしかして…気を使ってくれている？)」
態々自分に姿を見せないように路地に入ってくれたAに目を見開く四季。
慌てて何か言おうとしたが、手で制され『そのまま聞いて』と言われる。
『Bar4/7に行きたいんだけど、君ら帰りの途中なら連れて行ってくれない？』
四季「お、お店に、ですか…？そ、それは全然。で、でもまだ開店時間じゃなくて」
『飲みに行くんじゃない、仕事で届け物があるんだ』
四季「そ、そういう事なら…」
リュウ「アイアイサー！Bar4/7へ、お客様お一人お持ち帰り〜！レッツラゴー！！」
ワーと駆け出すリュウに、叫ぶ四季と呆れるA。
先々行くリュウを慌てて追いかけるのだった。
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作者名：テルミヤコウジ | 作成日時：2021年6月29日 19時
