羅刹の幻影は囁く part14

【VIBES】2＿＿玲央＆紗月＆北斎SIDE ページ32

北斎「俺達は、ここに何をしにきたの？」
玲央「それは…」
紗月「んなことは決まってんだろ！俺達はここにいる全員を」
玲央「サイコーに楽しませる！」
北斎「うん」


2人の言葉に同意するように北斎も頷いた。
熱気あふれる会場を背にした2人は「もう戻ろうか」という北斎の言葉に従い、悪漢奴等の控室へ向かう。

その道中、


玲央「あっ！Aちゃーん！！」
紗月「っ！A……」
北斎「来てくれたんだ」


関係者パスを首から下げたAを見つけた3人。玲央は名を呼びながら真っ先に駆け寄る。その声に気付き、3人の方を向くA。



玲央「僕に会いに来てくれたの〜？嬉しいなぁ！」
紗月「な、なんでお前なんだよ！」
玲央「ええ〜馬鹿猿ちゃんの応援にくるわけないでしょ。可愛い、可愛い、僕の応援にきてくれたんだよねぇ？」
紗月「この、クソガキっ！調子に…」
『やめろ、お前等。本番前に何高まってんだよ』


『もうちょいで出番だろ』と諭され、うっと黙る2人。
小言でバーカやアホといいあう2人に溜息吐きつつ、2人の背後で微笑んでいる北斎を見て、『保護者も大変だな』と内心思うAだった。

【VIBES】3→←【VIBES】1＿＿玲央＆紗月＆北斎SIDE

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す