【44】__cozmez&悪漢奴等 SIDE ページ46
珂波汰「別に。ただの仕事相手だし、つーか口うるさいし」
依織「さよか、ならええんやけど」
珂波汰「…ならいいって、どういう」
依織「いやな、気に入ってる〜とか言うとったら……ほんま、妬いてまうから」
ニヤリと楽観的な口調だったのが一変し、ドスの効いた低い声に変わる。
陽気な雰囲気が一変し、思わずゴクリと唾をのみこむ珂波汰。
緊張感漂う空気が一室に流れた時、ノック音が響いた。
ビクッと肩を揺らす珂波汰に対し、いつもの調子に戻った依織が「はいりー」と言う。
善「失礼します。若、A君がいらっしゃいましたよ」
依織「おーきにな…て、なんでそないに離れとるん?」
善の後ろからついてきたAを見て笑みを浮かべる依織だったが、部屋に入った瞬間、Aから距離をとる善に目を丸くした。
『知らないです。会った時からこうでした』
善「い、いやだって…。A君がこの間、筋肉質アレルギーと仰ったので、私が傍にいればアレルギーが反応してしまうのだと」
善の言葉に「ぶはっ」という吹きだす声と、「は?」という呆れた声2つが重なる。
前者が依織で、後者の2つがAと珂波汰である。
『……筋肉質アレルギーって(開会式の時のやつか)』
珂波汰「馬鹿じゃねーの」
依織「ぶはははっ!!筋肉質アレルギーって、おもろっ、ハハハハッ!!」
『いや否定しろよ!笑ってる場合か!』
善「??」
大笑いする自分の主と呆れる2人に困惑する善。
Aは面倒くさそうに首の後ろを掻き、『あー』と言いよどむ。
『それは、冗談ですよ』
善「え!?冗談!?」
『あの時はその、ちょっと体調が悪くてあんまりスキンシップをしてほしくなくて(……ちょっと苦しいか?いくら単純とはいえ……)』
善「そ、そうだったのか!!それは気づかず、すまない!!」
『(嘘だろ、信じたよ)あ、いえ』
この人、大丈夫かっていう目を向けられている事に気付かず「次からは気を付けるよ!」と言う善にAは『はい』とだけしか言えなくなった。
一連の流れを見て、机をバンバンッと叩き笑う依織と、冷めた目をしている珂波汰。
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さあ - イベントのご参加ありがとうございます!!私の嫌いな食べ物レバーなのでなんか親近感が湧きました笑これからも頑張って下さい!応援しています! (2021年6月24日 17時) (レス) id: 7aaf2735e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年6月23日 0時