【42】__西門SIDE ページ44
理事長「あの子はメタルの彫金師なんだよ」
西門「……メタルの彫金師?ファントメタルのですか?」
理事長「あぁ、腕もかなり良いし本業にしてくれらいいのにね。顔見知りと紹介でしか調整なんかしてくれないんだよ。もし仲良くなれる機会があるなら、なっておいた方が良いよ」
そう言うと懐から名刺を取り出し私に渡す。
その名刺には萬屋【虚空】という事務所の名前と、彼女の名前が記載されていた。
……他者の名刺を勝手に渡していいのか、それを受け取っていいのか悩ましいものだが、相手が理事長なので、受け取らせてもらった。
理事長「私もHIP HOPは好きだし、今回のParadox Liveは期待しているからね。何しろうちの大学にはBAEの3人と、The cat’s whiskersに所属する西門教授がいるからね」
西門「は、はあ……」
理事長「まぁ、萬屋の方もいい仕事をしてくれるから、何か困ったことがあったら頼ってみるといいよ。君、アガタ君に対しても押され気味だったからさ」
西門「……あ、あはは」
理事長にまで見破られていた事実に苦笑しか出てこない。
「それじゃあこの後の講義も頼むよ」、と言った理事長は教員室を出ていった。
西門「…月夢Aさん、か」
私は目線を名刺に落とし、今初めて知った彼女の名前を口に出す。
10年ぶりに復活した箱、CLUB paradox。
そこで彼女と間接的だが初めて会い、今日こうして邂逅する機会を得た…か。
これも、縁というものなのだろうか。
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さあ - イベントのご参加ありがとうございます!!私の嫌いな食べ物レバーなのでなんか親近感が湧きました笑これからも頑張って下さい!応援しています! (2021年6月24日 17時) (レス) id: 7aaf2735e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テルミヤコウジ | 作成日時:2021年6月23日 0時