羅刹の幻影は囁く (ページ19)

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【17】＿＿BAE SIDE ページ19

アレン「…だりぃ」

都内にある大学の通学路。そこを歩く青年、アレンは眠そうに欠伸して、その言葉を発した。

アン「アレン～」

そんな彼の背後からコツコツとハイヒールの音が駆け寄ってきた。
ちらりと後ろを向くと、同じチームのアンだった。

アレン「アンかよ」
アン「何その言い方、起こしてあげたのに先に行っちゃうし」
アレン「お前の化粧が長いからだろ」
アン「アレンが起きなかったせいでしょ」

どうせ、また徹夜でしょと決めつけて言うアン。
それに対して、否定できないのか黙り込むアレン。

アン「まぁいいけど、今日一限からテストだよ？ちゃんと復習したの？」

アレン「……あ、忘れてた」

アン「そんなことだろうと思った。ま、僕もしてないけど」

アレン「何だよ、焦らせるなよ」

アン「まぁ、夏準は完璧だろうけど」

アン「そりゃ、そうだろ……て、噂をすれば」

大学の校門が見えてきたころ、その手前で女子に囲まれている金髪の美青年。
たった今、噂をしていた夏準だった。

彼は2人の姿を見て、うまく女子を交わし、2人に近付く。

夏準「おはようございます、二人とも」

アン「おはよう、相変わらず凄い人気だねー」

夏準「ふふ、全く困ってしまいますね」

アン「全然そうには見えないけど」

アレン「てか、朝から煩ぇんだけど」

夏準「それは失礼しました。でも、文句は彼女達に言って貰わないと」

アン「また性格悪い事を…」

夏準「ま、テストもありますし、行きましょう」

3人は並んだまま、大学内へ。
BAEの3人が揃って歩いていることから、周囲の目線を独り占めしている。