羅刹の幻影は囁く (ページ37)

今日:15 hit、昨日:50 hit、合計:148,459 hit

【35】＿＿BAE SIDE ページ37

アレン「……っぅ、お、おわったぁ」
アン「おつかれー」
夏準「お疲れ様です」

ぐったりとうなだれるアレンに対して、棒読みで労いを食事しながらかける2人。そんな2人を恨みの目で見るアレン。

夏準「何ですか、その目は。自業自得なんですよ」

アン「そーだよ。僕ら散々忠告したからね。なのにアレンが“今、新しいリリックが浮かんで…”とかで全然手を付けなかったんでしょ。おまけに最後のチャンスである空きコマを棒に振るって」

アレン「し、仕方ないだろ！本当にいいもんだったんだ！今は1枚しかないけど、紙一面に埋まるくらい書いてたんだ！しかも何十枚も！」

アン「確かにいいトラックだけど、ソイツがなんでコレの写真持ってるわけ？まさかファン？」

アレン「俺が知るわけないだろ。でもファンじゃない絶対に」

アン「断言怖っ。夏準も黙ってないで……どしたの？」

アンが視線をアレンから夏準に向けると、彼は違う方に目を向けていた。その視線を辿るとそこには顔写真の男、ジェイ・シャークレットがいた。

アレン「ジェ……なんだっけ？」
アン「だからジェー………………忘れた」
アレン「アンも忘れてんじゃん！…って、こっち来てないか？」

アレンが言う通り、ジェイはBAEが座る席の前までやってきた。人を食ったような態度で、3人の事を薄ら笑いを浮かべていた。