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62話 ページ25

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「此処で死んでください。中原中也殿。」


島崎が銃の引き金を引く。
中也自身ここで自分は終わりかと思った。
そしてそのまま撃たれた銃弾は中也の額を貫く。



_______筈だった。



だが、弾丸諸共島崎が弾き飛んだ。



そして、中也の目の前に浮かび上がる星の紋章。その星の紋章は中也を包むように照らしまるで守っているようだった。
中也だけではない太宰の上にもその星の紋章が照らしてあった。




「この星はAの……」


太宰も驚いたように痛む頭を抑えながら起き上がる。


中也は何が起こったか判らずその星の紋章を目を見開いて見ていたが太宰のその言葉にハッと我に返って上を見上げた。



Aにナイフを当てていた男は既にその場に倒れており、凛とした表情の彼女だけがそこに立って此方を見ていた。



『治、中也。ごめんね。
私の為に沢山傷つけて悲しい思いをさせて。でも、もう大丈夫だよ。
_____全部思い出したから。』



美しく優しい微笑み。
四年前と変わらない呼び方で表情でAは太宰と中也を優しく見つめた。


「A手前、本当に記憶が戻ったのか?」


「馬鹿、な」


中也がそう問いかけた時、苦しそうな島崎の声が響いた。光に弾き飛ばされた島崎は腕を抑えながらヨロヨロと立ち上がりAを見上げる。


「記憶は全て転送し奪った!自ら記憶を取り戻すことなど出来る筈がない!!」


先程までの余裕な表情とは一変して島崎はAに向かってそう叫んだ。
そんな島崎をAは太宰と中也に向ける瞳とは違う鋭い瞳で島崎を見据える。



『貴方なんかに奪わせる記憶一欠片もないわ。治と中也、二人と一緒に過ごした記憶は私にとって何より大切な宝物。
貴方が易々と消せるような記憶じゃない。』



Aのその凛とした声は何事にも揺るがない声であった。Aの瞳に島崎は見覚えがある。四年前のその瞳と全く同じであったのだ。
島崎にとってそれは何よりも恐ろしくそして美しいと思う瞳。


「くそくそくそ!嫌いなんだその瞳!!
その瞳が私の計画を全て狂わす忌々しい!」



島崎が銃口をAに向けた。
だが、それより先に動いたのは太宰と中也だった。



いつのまにか島崎の背後にいた太宰が島崎の腕を掴んだ。これで彼は異能を使うことが出来ない。そして、島崎の前に中也が拳を振りかざす。



「終ぇだ!この転送野郎!!」




中也の拳が島崎の腹にめりこみそのまま彼を瓦礫の残骸へと殴り飛ばした。







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Kigiri(プロフ) - 詞の選び方一つ一つがとても好きです。新作を心待ちにしています!! (2019年5月4日 19時) (レス) id: 9b7da1f6da (このIDを非表示/違反報告)
るーりー(プロフ) - とってもおもしろかったです!新作も楽しみにしています! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 015d425faa (このIDを非表示/違反報告)
真緒(プロフ) - ン"ーーーー面白かったです!!!!!!番外編お願いします!!! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 290bbc209c (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - 沢山ある文ストの夢小説から,たまたま見かけて,面白そうだったから,前作の1話から今作の49話まで全て読みました。面白いと思います。次の50話の展開が気になりますね。今後も更新を楽しみにさせていただきますね(^_^)作者さん,頑張って下さい(^_^) (2019年4月22日 7時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
Kigiri(プロフ) - ほんといつも読んでいてどきどきします!!もう穴が開くほど読み返しました!!((← 応援しています!がんばってください!!!! (2019年4月22日 3時) (レス) id: d36ce0e605 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華桜 | 作成日時:2019年4月15日 23時

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