双黒の姫君 −其の弍−【文豪ストレイドッグス】

58話 ページ21

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________四年前________



或る男が統べる組織により抗争が始まった。
だが、抗争といっても初めから決着がついているようなものだった。この横浜を統べる黒社会トップの組織ポートマフィアはその圧倒的な力の差を見せつけ抗争を鎮圧していった。



そして追い込まれたある組織のリーダー格の男＿＿島崎藤村は最後の手段として以前から彼の組織が研究していた兵器を導入した。
異能力とは違う科学の力を利用した核兵器。




彼の最後の計画は自分達が研究していた核兵器を使ってこの街ごと吹き飛ばし自分達組織の勝利とすることだった。島崎は無人飛行機に核兵器を積んで乗り込みこのヨコハマ一高いビル、つまりはポートマフィアの拠点上空に降り立った。




その恐ろしい兵器を積んだ無人飛行機を島崎がビルに衝突させる直前だった。
辺りが眩しいほどの光に包まれたのだ。
上空に浮かび上がった巨大な星の紋章がポートマフィアの本部ビルだけではなくヨコハマ全体を覆っていた。



そして、島崎の視界に入ったのはその星の紋章の中心にいる女＿＿＿Aだった。




島崎はAと目があった気がした。
彼女の瞳は何の迷いもない澄み渡った空のようであった。








そしてその瞬間、物凄い量の光が島崎が乗る無人飛行機を包み込んで消し飛ばしたのだ。









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