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53話 ページ16

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「どう云うことだ……太宰。」


「油断した。まさか奴がまだ生きてるとは」



Aが消えた。
一瞬のことだった。Aが数歩太宰と中也から離れた時にAの背後に現れた男。
その男は一瞬で現れ、一瞬でAを連れて消えた。



「あの男の名は島崎藤村。
Aを一瞬で連れ去ったのは奴の異能力で奴は自分はもちろん凡ゆる物を転送できる。」


「彼奴が島崎藤村か。」




中也は自身の拳を強く握りしめる。必ず倒さなければならない相手。四年前、横浜を焼き尽くそうとした異能力犯罪者。そしてそれを阻止する為犠牲になったのは_____。




「おい太宰。Aを助けに行くぞ。
今度こそ俺が奴をぶっ殺す。」



「君に云われなくてもそのつもりさ」





転送といっても至る所何処でも出来るわけじゃない。転送できる場所は限られているはずだ。なら、探し出せる。






空はどんよりと灰色の雲が覆い出していた。
まるでこれから起こる何かを予感しているように不吉な雲がヨコハマを包んでいたのだった。





________
_____






「四年ぶり、か」



或る男はそう呟いた。古びた廃墟。
ここは数年前、ある組織が使っていた工場だった。その一番奥の部屋に男はいた。



「もう一度貴方が現れるのを待っていたのですよ。_____双黒の姫君」



双黒の姫君と呼ばれた彼女は暁A。
ニヤリと笑った男の前にAは鎖に繋がれて気絶していた。
数時間前、この男_______島崎藤村はAを己の異能力を使い連れ去ったのだ。



「あの双黒と呼ばれる彼等から貴方を奪うのには苦労しましたが。好機でしたよ。貴方が記憶をなくしてるとは。」



島崎は気絶しているAに近づきその長い髪を一房掬った。



「あぁ、美しい姫よ。貴方を傷つけたら双黒の二人はどんな表情をするのか____________とても楽しみです」



ニヤリと男は不敵に笑った。




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Kigiri(プロフ) - 詞の選び方一つ一つがとても好きです。新作を心待ちにしています!! (2019年5月4日 19時) (レス) id: 9b7da1f6da (このIDを非表示/違反報告)
るーりー(プロフ) - とってもおもしろかったです!新作も楽しみにしています! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 015d425faa (このIDを非表示/違反報告)
真緒(プロフ) - ン"ーーーー面白かったです!!!!!!番外編お願いします!!! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 290bbc209c (このIDを非表示/違反報告)
陽香 - 沢山ある文ストの夢小説から,たまたま見かけて,面白そうだったから,前作の1話から今作の49話まで全て読みました。面白いと思います。次の50話の展開が気になりますね。今後も更新を楽しみにさせていただきますね(^_^)作者さん,頑張って下さい(^_^) (2019年4月22日 7時) (レス) id: 7be101f077 (このIDを非表示/違反報告)
Kigiri(プロフ) - ほんといつも読んでいてどきどきします!!もう穴が開くほど読み返しました!!((← 応援しています!がんばってください!!!! (2019年4月22日 3時) (レス) id: d36ce0e605 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月華桜 | 作成日時:2019年4月15日 23時

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