14話 ティアーズインヘブン�� ページ14
｢ぶん殴れッ！『ティアーズインヘブン』ッ！｣
私がそう言って男に向かって走った時、足に激痛が走る。何故かは分かっている。私もワインを1口とはいえ飲んでいる。とりあえず私のスタンドの間合いまで詰めなければならない。
近距離パワー型、と呼ぶには少々心もとない力ではあるが、間合いはそれほどまでに狭い。もっと近づかなければ、もっと。
｢なんで！なんで倒れねえんだ？！｣
男は焦り始めたのか、後退りをし始める。まるでヒーローに負けるチンピラのような顔で。
｢お前のスタンドはワインに『混入』していたのではなくあれ自体が本体だったんだな！道理で一箇所しか攻撃出来ないはずだ！群体型ならそれぞれで攻撃できるからな！｣
私は得意げに解説を決め込む。足は出血していても元気である。ワインの飲む量が少なかったからだろう。大した怪我でもない。
｢そしてお前は『覚悟』がない！だから筋肉や皮膚つった表面しか攻撃できない、あまっちょろいスタンドなんだ！とどく範囲も10ｍ！お前がビビって足を止めようとばかりするから―――…！｣
｢私の拳は無キズだッ！！｣
男に拳を叩きつけると、弧を描いて吹っ飛ぶ。何もここで終わりではない。男は地面に叩きつけられてから唸る。拳を叩き込んでからが『ティアーズインヘブン』の本領である。
夢を見せる、とはちょっと違う。過去のつらい感情を引き出して幻覚という形で見せる、言わば精神攻撃と呼ばれる類のものである。
そして男が錯乱したまま私へ向かってくる。場合によっては幻覚は凶暴性を引き出しかねない、若干リスキーな能力なのである。私は舌打ちをすると身を引こうと後退りをする。
すると銃声が二回、映画で聞くより大きくない音がする。男がその場にうずくまって倒れ込む。足に二発入ったらしい。撃った本人に声を掛ける。
｢ミスタ、無事だったんですね｣
｢あー…いてぇ…さっさとずらかるぞ…俺が死ぬ…｣
痛みで声を出すのすら億劫だったのだろう。無言だったミスタがやっと言葉を発する。
しかし出血の事も考え、早々にミスタと拘束した男を乗せ、車を走らせる。無免許運転というヤツだ。
そして助けを求めるべく、ブチャラティさんから貰った紙を取り出し、その番号へと連絡した
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日常系とかラブコメとか言っておきながら大分調子乗った内容になってます…理解不能だと思うので次解説します
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作者名：invisible Comet | 作成日時：2019年4月8日 16時
