【ジョジョ】ブチャラティチームの新星【護チ】 (ページ13)

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13話ティアーズインヘブン③ ページ13

｢んん…はっ！！｣

私はすっかり眠りこけてしまったらしく、隣にミスタが居ないのを見て勢いよく席をたった。

｢店員さん、私の連れは｣

そう言うと店員は怯え切った顔で外を指さした。微かに火薬の匂いがして、戦いの火蓋が切られていたことをなんとなく察する。ミスタ、爆睡しててごめんなさい

店外を出てみると、案外すぐそこでミスタを見つけた。出血が酷く、片足を引きずっている。しかし私に目もくれず痙攣した腕で弾丸を装填していた。

｢ミスタ！酔い覚めました！すみません！｣

｢…｣

ミスタは何も言わずに口を開ける。するとグロテスク、とまでは言わないが痛みで声が出せないのはなんとなく分かった。なんでもないように振舞ってはいるが、明らかに目の焦点が合っておらず、出血多量による目眩をおこしていることは容易に分かった。

｢………｣

ミスタは石畳に滴る自らの血で文字を描き出す。
『スタンドワイン混入一箇所攻撃表面 10ｍ』

とだけ書いてミスタの10ｍほど先に居る男に目を向ける。今回の犯人はこいつらしい。

｢スタンドがワインに混入しててミスタを攻撃してるのは分かった…けどなに？あとはわかんないよ｣

落ち着け、と自分に言い聞かせてみるが、正直意味がわからない。一箇所しか攻撃出来ないのは大体のスタンドがそうだろうし、表面というのは何が？という話だ。10ｍというのは10ｍ先にいるよ、ということだろうか、いや、そんな事を書く必要などない。考えろ、と自問自答を繰り返した。

すると突然ミスタが片足をかばいながらも男へ向かって走り出した。その瞬間ミスタの指から血が滴る。しかしミスタは拳銃を辛うじて手に掴んだままだった。そしてつぎは両足から出血し、その場に倒れ込む。

一面に血の海を作っていく。なぜここまで鉄砲玉のように向かっていくのか、何か理由がある筈だった。

そして私の頭の中で、ことに辻褄が合う。

｢…！理解した…！ミスタ、そういうことなのか！｣

ミスタが命懸けで男に走っていった理由、文字の意味

私は自らのスタンドを姿に現した。