41 ページ41
少し早めに公園についた
辺りはもうすっかり暗くなって、公園で遊んでいた子たちは帰宅し
寒そうにコートに顔を埋めて帰る人がちらほらいる程度
公園に入ってすぐのところにある噴水の近くに腰を下ろす
街灯の少ない公園から見える星はとても綺麗だった
しばらくすると私を見つけて小走りする人が視界に入った
和「ごめん待たせた？」
「ううん、私が早く着きすぎちゃっただけだから」
和「ごめんね本当」
お店のある通りに移動して、適当なところで居酒屋へ
「よかった、入れるお店あって」
和「安い居酒屋だけど笑」
「いいじゃない？笑」
最初の飲み物頼んだ後、なんとなく本題に入れなくて
どちらからともなく仕事の近況報告をした
また二宮君の仕事の話を聞けるなんて思ってなかったから
すごく楽しくて
何度聞いても新鮮なことだらけだった
松本君たちはいつもこんな話を聞けるんだ
いいな･･･
しばらくして本題に入りたいけどなかなか入れない空気感を変えたいがために
裏路地にあるバーに連れて行ってもらった
こじんまりした店内
一番奥のカウンターに二人並んで腰掛ける
意を決して話題を切り出した
「2週間くらい前にね、松本君に急に呼び出されたの」
和「潤君に？」
「そう、お昼休みに。お昼ご飯食べながら仕事の話とかしてたら急に二宮君の話だしてきて」
あの時、松本君に色々聞かれて渋った挙句彼に話してしまった
「二宮君は一体、私に何を伝えようとしてるの？」
私がそう問いかけると、二宮君の顔が少し強張った
一度グラスに口をつけたあと大きく息を吐き出して
ゆっくりと話を始めた
それは彼の昔話だった
大学時代の彼の話
彼女を作っては別れてを繰り返した結果、誰とも付き合うことはなくなって
行き場を失った彼の感情たちは
女の子と遊ぶことで消化されたという
彼にも「こんなんじゃない」って思ってた事実があったことを知って
胸が苦しくなった
それから腐ってしまったと儚く笑う彼の顔を見て
胸が締め付けられてるようだった
気持ちが痛いほどにわかってしまうから、涙が出そうだった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：風和?? | 作成日時：2019年4月30日 0時
