9話 ページ10
"「…おまえ、おやは?」"
"「……いない…」"
"「…、…いっしょにくるか?」"
"「!うんっ」"
寒い、いつもと変わらない絶望の夜のこと…
そんな、いつの日だったかわからない、懐かしい夢をみた。
「ッ…!!」
ベッドから飛び起きて壁にかかっている時計に目をやる。
6時…、毎日のように訓練し戦場に駆り出されていた私達…それは体に染み付いているようだった。
嗚呼、せっかく柔らかいベッドで居心地よく寝ていたのに夢のせいで最悪な朝だ。
私はため息をついてベッドから出て顔を洗う。
鏡に映った自分の顔、酷くやつれているわけじゃないがその顔は酷いものだった。
「…はぁ、なんで今更あんな夢…」
兵になってから見ることなんて滅多になかった昔の思い出。
忘れていたのに何故今になって思い出す?
私は忘れようと生前いつもやっていた朝のトレーニングと筋トレを無我夢中でする。
死んでいるんだから別にやる意味がないってことはわかっていた。
もうユラン=ブルク氷帝国には帰れない、戻れない。
でも、やっぱり日頃行なっていたものを急に辞めれるわけはなく、しなかったら体がウズウズして堪らなかった。
ひと通りのトレーニングを終えて私は朝のシャワーを浴びる。
トイレやシャワー付きのお部屋なんて上官じゃないと使用できないような部屋。
贅沢だな、と思いつつ滲んだ汗を軽く流した。
「服…、あ、そっか。」
昨日確認したクローゼットの中に入っている無地のTシャツとズボンに着替えて支度を済ませる。
驚いたことにここのクローゼットの中に入っている衣服などは全部自分の私物だった。
どうやったのかわからないけれど凄くナイスである。
服を着替えたと同時にお世辞にも煩くないと言い難い激しくドアを叩く音が部屋の中に響いた。
いや、ドア壊れるから!!
焦った私は今にも壊れそうなドアを急いで開ける。
そこにはピンク色の髪をした小さな女の子が立っていた
「Aっち、おっはよぉー!!」
「あ、うん…おはよう。…えっと…」
朝からテンション高いなぁ、と思いつつ左右の髪が違う少女に挨拶をした。
「メグメグだよ!!よろしくね!!」
両手を万歳しながら自己紹介を笑顔でしてきた少女はメグメグちゃんというらしい。
ブンブンと私の腕を無理やり掴んでもげそうな程上下に振る。
…案外この子、力あるなぁ
こんなに握力強い女の子、久しぶりに見たかも…
「朝ごはん食べに行こっかぁ!!」
元気に彼女はそう言った
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日向(プロフ) - 骸蜘髏巍屍龍さん!お久しぶりです!と言っても最近バグ少女で知ったばかりなのですが…。今日アダム推しになったのでありがたく読ませて頂きます。 (2020年8月2日 21時) (レス) id: 378262d87d (このIDを非表示/違反報告)
骸蜘髏巍屍龍 - ネウロさん» コメントありがとうございます。このサイトで別サイトの情報をお伝えするわけにはいきません。詳しくは、大事なお知らせから「作者のこれからのこと」を読んでください。 (2020年6月6日 2時) (レス) id: 9e88b8f2ee (このIDを非表示/違反報告)
ネウロ(プロフ) - 別サイトってどこでしょうか…?!続きが見たいです!! (2020年6月6日 1時) (レス) id: f75d0817e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:骸蜘髏巍屍龍 | 作成日時:2020年5月12日 15時