【出口ゼロ】僕は君達なんか信じない…だって君達、人間でしょ？

いけないの？ ページ36

A「っ!!?」

あまりの殺気とおぞましさにわたしは耐えられず尻餅をついた。
夕日ちゃんはわたしにかけ寄ってきてくれる。

レディ「『調教』が 必要みたいね。神代 椿、セルシット・エヴァーマリン…きなさい!!」

A「っうぅ!?」

夕日「はなせっ…」

わたしは被り物の兎の耳を、
夕日ちゃんは髪の毛を引っ張られた。

もちろん被り物なので抵抗できたが、この兎の被り物はわたしの宝物であって、6歳から身につけてきたモノ…万が一破れたりなどしたらと思うと恐ろしくて抵抗できなかった。

怜士「ククッ かわいそうになぁ


『調教室』いきだぜ」

わたしたちが連れ去られる時、望月先輩の声が耳に入った。

−−−−−−−−−−−−−−−−

レディ・クイーンに乱暴に引っ張られ、しばらくするとある部屋に押し 入れられた。

夕日「っ!!」

A「ひぇっ!?」

〈バタン！…ガチャンッ〉

扉の閉まる音と、鍵をかけられる音が響いた。
入れられた部屋は暗くて周りがよく見えない。

もしかして閉じ込められたんですかぁ!!?
その時、

「…ア"…」

「ヴァ…」

「ア"ァ"ア"」

濁っていてかすれた声が後ろからした。
夕日ちゃんにしがみつきゆっくり振り向くと暗いけどわかる…
変わり果てた姿の守屋さん達、今年の新入生の退学組が迫ってきていた。

A「ひぃっ?!守屋さ…ん？」

夕日「みんな…！」

私と夕日ちゃんはゆっくりと5人に近づく。

夕日「杏樹さん?!」

A「汐里ちゃんっ」

近寄って抱きついてみたものの、反応がなかった。

杏樹「ごめん…なさ… ア ウ…」

神奈「タス…け テ… …ごめん…な…サ」

反応以前に言葉も通じないなんて…

A「ダ、ダメですよぅ!!意思疎通できませんんっ」

夕日「いったいなにをされたの……あっ

あなた…っ カルロさんだよね!?だいじょうぶ!?」

夕日ちゃんが守屋さんに気づきだいじょうぶかどうか聞く。
意思疎通できなんじゃ意味が…
そう思っていた。思っていたのに…

守屋「だい…じょ…っ…ぶ…」

A「!! 反応しましたよぉ!!」

夕日「うん、ちゃんと生きてるよ!兎女、はやくみんなを救おうっ!!」

夕日ちゃんはそう言って私の肩をガシッと持った。
その瞳には迷いはなかった。

A「ハイッ!!でも…出口は……」

そう…どれだけ頑張ろうがどれだけもがこうが出口がないのなら話にならない。

夕日「だいじょうぶ!!きっと見つかる!!」

〈ドン ドン ドン〉

夕日ちゃんはそう言い扉を叩き始めた。

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