今日の君は笑ってますか？

ピンキー Y.Hikaru ページ12

私の彼氏はバイト先の先輩。



右も左も分からない私になんでも優しく教えてくれた。




光「おい、圭人！
これ片付けとけって言っただろー。」




圭人「…ごめんなさい。」



私と同期のはずの圭人くんにはとても厳しいけれど、

とにかく私にはなんでも優しかった。




私は他の先輩から怒られることもなくて。

なんでだろう、そう思っていた。


でも、浅はかだったね。

君の優しさはそんなものじゃなかった。




バイト帰り店の裏から出ると、

光先輩の謝る声が聞こえた。


光「すみませんでした。これからは無いようにさせますから。」


上司「お前いつまで庇ってやるつもりだ。
あいつのためにならないぞ。」



私のことだ。

直感でそう思った。



光「あいつは覚えるのが少し遅いだけで、すごく頑張り屋です。

それに、圭人と違って褒められて伸びるタイプなんです。」



泣いちゃダメだ。そう思ったのに涙が出てくる。


上司「…わかった。その代わり、お前が全力でカバーしろよ。
店に迷惑はかけるな。」



光「ありがとうございます！」


そう言って、彼は調理用の帽子を脱いで深く頭を下げた。



なんで、気づかなかったんだろう。


君の優しさで、私は幸せに仕事ができていたのに。



彼の優しさにまた涙が流れた。


さっきの悔しさとは違う、温かい涙が流れた。

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