新たなる王の物語の始まり part2

第五十六話 ページ9

宗「修復者？」

国「つまりは、ダモクレスの剣を完全体へとリセットさせる王を指す。
　 マウスの場合、修復者には、実験の中で石盤と最もリンクしたものが選ばれた。
　 、、、そのマウスと、新たに選ばれた赤の王の彼女はよく似ている。
　 先代と先々代がダモクレスダウンを起こしているからな。」

宗「では、、彼女は修復者に選ばれたと？」

国「おそらくはな。
　 宗像、ここから先の話は、お前の判断にゆだねることだが、、、、。」

　御前は、顔を厳しくし、再び語り始めた。

国「修復者と呼ばれる王は、、、ただ単にダモクレスの剣をリセットさせるわけではないのだ。」

宗「、、どういうことですか？」

国「修復者によって完全体になったダモクレスの剣は、石盤の影響をとても受ける。
　 ましてや、暴力の象徴である赤の王の場合、力の威力は倍増する。
　 そして、修復者の次の王になる者は、それなりに石盤とリンクした者しかなれない。
　 ダモクレスの剣が不安定だった今までは、石盤と少しリンクしていれば王になれた。
　 だが、完全体となった今は、そういうわけにもいかない。
　 、、、、、、、修復者は、なるべき次の王が現れるまで生き続ける運命を背負うのだ。｣

宗「それは、、どういう意味なのですかっ、、、！」

国「体の時間が止まるということだ。
　 彼女はこの先、年をとるということがなくなるだろう。
　 そして、ふさわしい王が現れるまで死ぬことができない、、、。
　 例え、どんな手を使って殺そうとしてもな。
　 一番厄介なのは、王の資格を手放すことができないことだ。」

宗「では、彼女に選択の余地はないということですか、、、。」

国「、、、、今回、彼女が石盤に選ばれたのは不運なことだ。
　 だが、誰かがこの役目を果たさなければならなかっただろう。
　 今話したことは、お前しか知らないことだ。
　 、、、、、、、、、この後どうするかは、自分で決めることだな。」

　私は椅子から立ち上がり、御前に一礼してから部屋を出た。

　部屋から出た私に、外にいた兎は出口まで案内した。

　その間、私は何も考えることができなかった。

　御前の言葉一つ一つが、頭の中で渦を巻いているようだ。

　外で待っていた部下からサーベルを受け取ると、私は無言でセプター4に戻った。

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