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君に出会ったあの日 ページ2

[君に出会ったあの日]
彼女は、いつも独りだった。クラスでも、家庭でも。彼女にとって独りは、少し淋しくて少し幸せな苦くて甘い味がした。彼女はいつも誰かを想っていた。『誰かの為なら……』『誰かが傷付く位なら……』そうやって彼女はいつも自分を騙した。彼女にとって自分の幸せ以上に誰かの幸せが大切だった。だから、いつまで経っても彼女の独りには甘い味がした。望みもしない甘い味が。
その日も彼女は独りだった。独りで学校に行き、独りで家に帰る。いつもの事だ。けれどその日は帰り道で、いつもは無いことが起こった。彼女はその日初めて、彼を見つけた。
「うみゃん」
彼はそう鳴いた。彼女は驚いた。彼女の足元には、白茶の子猫が居たのだ。彼女は子猫を踏んだり蹴ったりしないように、そっと移動した。だが、子猫は彼女についてきた。彼女は、子猫が嫌がるだろうと思ったが、子猫を抱き上げた。抱き上げて、どこかに放そうと思ったのだ。だが以外にも、子猫は嫌がらずに大人しく彼女に抱き上げられるままにしていた。
「みゃおん」
子猫はもう一度鳴いた。その時の子猫の顔を見ると、彼女はもう子猫を手放せなくなった。

そしてこの日が、彼と彼女の出会った日になった。

君と過ごしたあの頃→←君と私



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宮 紗蘭 - 派閥弁当さん» いつもコメントくださり、ありがとうございます (2018年8月15日 18時) (レス) id: c7cbba23b2 (このIDを非表示/違反報告)
派閥弁当(プロフ) - 完結おめでとお! (2018年7月8日 11時) (レス) id: 3c05462a8c (このIDを非表示/違反報告)
宮 紗蘭 - 派閥弁当さん» ありがとうございます (2018年6月30日 20時) (レス) id: c7cbba23b2 (このIDを非表示/違反報告)
派閥弁当(プロフ) - がーんばれ!がーんばれ!! (2018年6月30日 20時) (レス) id: 3c05462a8c (このIDを非表示/違反報告)
宮 紗蘭 - 派閥弁当さん» コメントありがとうございます。 (2018年6月22日 22時) (レス) id: c7cbba23b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:宮野遥奈 | 作成日時:2018年6月12日 16時

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