ん ページ8
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先ほど出会ったばかりの男の子に「場所を移動しようか」と言われて、近くにあった喫茶店に入る。
どこか普通とは違う雰囲気を漂わせる天使のような男の子はどうやらこういう庶民的なお店は余り利用しないようで、私がとりあえず適当に注文すると、ウェイトレスはその場から去っていった。
「ありがとう。助かったよ。」
ニコリと笑顔でお礼をいうので思わず顔をふせる。
彼の顔が余りに整い過ぎて怖いくらいだ。
「こちらこそありがとうございます。」
私は小さく頭を下げた。
「雨の中一人たっていたから驚いたよ。
僕は.......英智だよ。
この近くの高校に通ってる3年生だよ。
君の名前は?」
この近くって事は泉の行っている高校の近くなのかな?
よく分かんないけど...。
「私は瀬名Aです。
〇✕学園の3年です...。」
すると彼は目を見開く。
何か変な事でもいっただろうか?
「もしかして君は...「お待たせいたしました。ホットココアとロイヤルミルクティーになります。」
英智さんの言葉を遮るようにウェイトレスが注文した飲み物を持ってくる。
私は小さくお辞儀をして、温かいココアを受け取った。
先程まで雨に濡れて氷のように冷たかった指先がほんのりと温まる。
そしてハッとなって思わず英智さんの顔を見る。
そういえば話の途中だったんだ。
「すみません。話の続き教えて貰えませんか?」
フーフーしながら英智さんを見る。
すると今まで一度も聞かれたことがなかった言葉を英智さんは言葉にする。
「君には双子の兄妹がいるかい?」
「へ?」
私は思わず啜りかけたココアから口を離した。
何で知ってるの?
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作者名:ほりでい | 作成日時:2016年8月24日 22時