いてくれたら ページ27
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次の日の仕事中
生放送の出番直前、控室で談笑してたら
龍友くんに廊下に呼び出された。
びくびくしながらついていく。
「…え、なに？こわ。」
「こっちのセリフやわ。」
スタッフさんたちが慌ただしく行き交う廊下で
珍しく真剣な顔した龍友くん。
薄い色のグラサン
どこのヤンキー？怖すぎだろ。
龍友くんは、眉間にシワ寄せる俺に スマホを突き出した。
「なに…」
「読んでみ。さくらちゃんからきたライン。」
さくらちゃんって名前に、思わず背筋が伸びる。
[ 玲於くんどうしてる？彼女と何かあったのかもしれない ]
[ ライン突然ブロックされちゃって。心配で ]
見せられたのはそんなメッセージ
何も言わない俺に、龍友くんはため息を溢した。
「俺知らんかったで。玲於とさくらちゃん、仲良うしてる思ってたし。」
「……。」
「べつに、ふたりに付き合え言うてるんちゃうよ。気合わんのやったらそれでもええけど、でもさ、突然ブロックってなんで？」
「……色々あって。」
「それ、教えてあげてもええんちゃうの。さくらちゃんこんな心配してんのに。」
…何も知らないくせに。
そんな俺の思考を、龍友くんは完全に読んでいて
相談なら聞くで、なんてお節介なこと言ってきた。
「…相談もなにもない。」
「ほんなら何よ。」
「……今の彼女に、さくらちゃんの存在知られて、もう会わないでくれって泣かれて、俺も会う気無くなった。これだけ。」
「……。」
「…さくらちゃんに話す必要もないでしょ。何言われてももう会わないし。」
「……いや、ちょっと冷静になってえや。そりゃ、彼女大事にしたい気持ちは分かるけど、友達やろ？さくらちゃん。」
「……。」
「百歩譲ってもう会われへんっていうの理解したとしても、ありがとうもバイバイも言わずにブロックって、あんまりやで。せめて理由教えてあげな、さくらちゃん傷つくやん。」
「……どうでもよくなった。」
「……玲於、あかんわ、それは。人としてあかんと思うで。」
もうどうでもいいんだよ
何もかも。
俺がどんだけダメな人間に成り下がっても
そのせいで誰かを傷つけても
Aがこの先、普通に生きていけなくなっても
どうでもいい。
ただAは
どんな姿になっても、いてくれたら、俺しか触れない場所に、いてくれたら。
あとのことはもうどうでもいいんだ。
Aだけいたらいい。
俺の世界に必要なのは、今も昔も、Aだけ。
きっと、この先も同じ。
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a - もう何回読んだか分かりません。当時GENEが大好きだった私も今では予定があえばライブに行く程度ですが、未だに何回もきなこさんの作品を読んでしまいます。こんなに大好きだと思える作品は他にありません。当時も今も変わらずいちばん大切な作品です。 (11月26日 9時) (
レス) @page50 id: fb27f2c91a (このIDを非表示/違反報告)
また会いたいです - きなこさんは今は何をされていますか？ (9月26日 19時) (レス) id: e10e58a731 (このIDを非表示/違反報告)
mchar(プロフ) - もう3回くらい読んでます。毎回泣いてしまうし、寝る間も惜しんで読んでしまいます。もう玲於のファンは卒業していますが、きなこさんが書く玲於が好きです。 (7月3日 8時) (レス) @page50 id: 895ee9ba7d (このIDを非表示/違反報告)
ナカム(プロフ) - 後半は特に心がギュッと掴まれて苦しくなっちゃうくらい感情移入してしまいました、、素敵な作品をありがとうございます！！2人の会話のテンポ感と雰囲気がすごく好きでした！！！ (7月3日 2時) (レス) id: a627fc4932 (このIDを非表示/違反報告)
まるこめちーは(プロフ) - やっぱ玲於……カッコイイーーー！！！！！と思いました！笑 長々と失礼いたしました。 (2023年1月27日 19時) (レス) id: 58d12bf03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年12月1日 22時
